2004 Fiscal Year Annual Research Report
FGFR3/PTHrP遺伝子変異に起因する骨・軟骨病変の統合的解析
Project/Area Number |
16390524
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
網塚 憲生 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30242431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健康 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40183941)
小澤 英浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (60018413)
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Keywords | FGFR3 / PTHrP / 軟骨細胞 / 遺伝子変異 / VEGF / 致死型軟骨無形成症 / 軟骨内骨化 / アポトーシス |
Research Abstract |
平成16年度の計画は、「変異型FGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体III型)で発症する致死型軟骨無形成症の病理的・遺伝的メカニズム」である。それを解析する手段として、FGFR3/PTHrP遺伝子欠損マウスとヒト致死型軟骨無形成症の2方面から解析を進めた。致死型軟骨無形成症II型(TD II:thanatophoric dysplasia II)では、正常胎児と比較してVEGF(血管内皮増殖因子)の発現上昇が認められた。そこで、培養軟骨細胞であるCFK2にTD IIを誘導するFGFR3^<K644E> cDNAを過剰発現させたところ、JAK3/statを介してVEGF発現を促進させることを見いだした。また、血管内皮細胞がVEGF受容体であるFlk-1/Flt-1を有していることから、TD IIでは軟骨への血管侵入が亢進するため、正常な軟骨内骨化が誘導されないことが明らかとなった(現在、論文作成中)。一方、FGFR3/PTHrP二重欠損マウスの脛骨骨端軟骨はPTHrP遺伝子欠損マウスと同様に低形成を示しており、軟骨異形成症様の異常をきたすことが観察された。従って、軟骨細胞の増殖に対してFGFR3はPTHrP(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)より上流で機能することが推測された。しかしながら、FGFR3はPTHrPシグナルを介さずに、軟骨の肥大化細胞層に作用することでアポトーシス誘導ならびにVEGFの発現促進を行うことも解明された(Amizuka et al.,Bone 2004)。以上のことから、FGFR3は軟骨細胞の増殖に対しては直接的に作用するばかりでなく、PTHrPを介する経路が存在すること、一方で、肥大化層の軟骨細胞に対してはアポトーシス抑制およびVEGF産生誘導を示すことが明らかになった。
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Research Products
(7 results)