2005 Fiscal Year Annual Research Report
齧歯類切歯のエナメル上皮幹細胞と歯乳頭間葉系幹細胞を用いた歯胚の再生
Project/Area Number |
16390527
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 英光 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊澤 悟 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30243249)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
脇坂 聡 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (40158598)
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Keywords | Fgf10 / Fgf9 / エナメル上皮幹細胞 / 間葉系幹細胞 / niche / apical bud / 上皮間葉相互作用 |
Research Abstract |
マウス形成端におけるエナメル上皮幹細胞と間葉系幹細胞のnicheの構築において、線維芽細胞増殖因子-10(Fgf-10)が重要な働きをしている.昨年度の本研究課題の成果として,Fgf-10の発現に関わる上皮因子についてはFgf-9が最も有力な候補として考えられた。そこで,本年度Fgf-9の発現について免疫組織学的方法とin situ hybridization法によって検討した.その結果,上皮幹細胞の存在するapical budの基底細胞ならびに内エナメル上皮に発現を認めた.切歯形成端の前頭断連続切片ではapical bud内のエナメルノット様構造物にもFgf-9の発現が観察され,切歯の持続的成長と形態を制御するための新規の組織構造としての新しい知見を見出した.Fgf-9の機構を解析するために,マウス形成端由来の不死化間葉細胞を数種類作製した.この細胞に対してFgf-9は強力な細胞増殖活性を示すと同時に細胞の分化を抑制することが明らかとなった.これらの結果から,Fgf-9が切歯形成端間葉系幹細胞の維持に働いている可能性が示唆された.しかし,これらの細胞株はFgf-10の発現を維持していなかった.そこで、Fgf-10の発現制御機構を調べるため,Fgf-10上流の様々な長さのDNAにβ-galをつないだベクターを遺伝子導入したLacZトランスジェニックマウスの解析を現在行っている.一方、Fgf-10の発現にはFgf-9と共にWntシグナル系も重要な働きをしていることが知られているので,形成端に発現するWnt3aとWnt5aについてその機能を調べた.Wnt5a遺伝子欠損マウスは,極めて小さな切歯が形成され,Wnt5aが切歯の成長に重要な働きをしていることが明らかになった.しかし,切歯形成端のapical budは正常に形成されているのでFgf-10の発現を直接制御する因子とは考えられなかった.次年度は,Wnt3aの機能を解析も予定している.
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Research Products
(7 results)