2004 Fiscal Year Annual Research Report
BMP活性を促進する血清由来タンパク性因子の単離・同定と生理的役割の解明
Project/Area Number |
16390533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80245802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 立雄 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90014034)
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Keywords | 骨形成 / 骨誘導因子 / 骨芽細胞 / 分化 / 血清 |
Research Abstract |
骨形成を強力に促進する成長因子として、骨誘導因子(Bone Morphogenetic Protein, BMP)が知られている。培養細胞や小型動物では、BMPによって効率よく骨形成が誘導されるが、ヒトを含めた大型動物ではBMPの骨誘導活性が低い。この原因は明らかでないが、BMPの活性を促進する方法を確立できれば、BMPの臨床応用が可能になると期待される。 本研究では、BMPによる骨芽細胞の分化誘導活性を促進するような因子を探索し、ウシ血清より活性本体を単離・同定することに成功した。本因子を大腸菌内で発現させたリコンビナント標品も、in vitroでBMP活性を促進することを確認した。さらに、BMPと本因子をマウスに移植したところ、本因子はBMPの骨誘導活性を促進することが明らかとなった。したがって、本因子は培養細胞のみならず、in vivoでもBMP活性を強力に促進することが確認された。現在、大量のリコンビナント標品を取得するために、大腸菌以外にもカイコを用いたタンパク質生産システムを構築している。 当初、本因子の遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス、及びトランスジェニックマウス)を作成し、それらの骨組織を解析する予定であった。しかし、米国のグループによりこれらのマウスが発表されたため、急遽、計画を変更し、その米国の研究グループからマウスの供与を受けることとした。この変更に伴い、本年度購入したPCRサーマルサイクラーが必要となった。すでにマウスを輸入し、実験に必要な数を確保するために繁殖を開始した。 以上のように、本年度の研究により、我々が発見した血清由来タンパク質がin vivoでもBMPが誘導する骨形成を促進することが明らかとなった。次年度は、本因子の作用機序と共に、骨代謝における生理的な役割を解析する予定である。
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Research Products
(3 results)