2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制因子としてのPEDF受容体の単離およびその機能解析
Project/Area Number |
16390537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中濱 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60281515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Keywords | PEDF / 血管新生 / 癌治療 / 発現クローニング |
Research Abstract |
本研究は血管新生抑制因子としてのPEDF受容体の単離およびその機能解析を目的としている。PEDF受容体の発現クローニングを始めるにあたり、先ずPEDFがPEDFレセプターへ結合する際に必須となるアミノ酸配列を決定することを試みた。しかしながら、C末またはN末を欠損させるとシグナル配列を挿入しているにもかかわらずそれら変異タンパクは分泌されず小胞体およびゴルジ装置に留まっており、ミスフォールディングされた結果だと考えられた。従って、発現クローニングのスクリーニングに用いるPEDFは全長を用いることとした。次に、ラットPEDFの各種変異体を発現させたHEK293細胞をヌードマウスの背部に移植し、その後形成される腫瘍の大きさと腫瘍中の新生血管の定量化を行った結果、コラーゲン結合部位に変異を導入したPEDFを発現するHEK293細胞に腫瘍形成抑制作用が認められなくなった。この結果から、PEDFによる血管新生抑制作用はPEDFのコラーゲン結合部位が重要であることが判明した(論文投稿中)。 PEDFのC末にHisタグを付加したヒトリコンビナントPEDFをHEK293細胞に恒常的に発現させ、その培養上清からニッケルカラム(AKTA Prime液体クロマトグラフィーシステム使用)を用いてPEDFの精製を行った。次にPEDFをビオチン化し、発現クローニングのスクリーニングに用いることとした。発現クローニングにはそのスクリーニングの簡便さからBa/F3細胞にヒト前立腺由来cDNAライブラリー(レトロウイルスベクター)を感染させた細胞をもちいた。現在、autoMACS及びFACSを用いてビオチン化PEDFが結合する細胞をアビジンビーズ、抗ビオチン抗体ビーズ、アビジンAlexa488等を用いてスクリーニング中である。さらに、最近PEDFの血管新生抑制作用にPEDFのリン酸化が重要であるとの報告や我々のPEDFのコラーゲン結合部位が重要であるとの結果から発現クローニングのスクリーニングにそれらの変異体を用いることも視野に入れ、現在それら発現ベクターの構築、リコンビナントタンパクの精製も行っている。
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