2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の組織定着抑止機序と分子デザインによる感染症予防の研究
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16390540
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 博夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40213079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五月女 さき子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20325799)
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Keywords | ペプチドライブラリー / デコンボリューション / 口腔細菌 / 感染性心内膜炎 / ポジションスキャン / モノクローナル抗体 / フィブロネクチン / 天然物質ライブラリー |
Research Abstract |
モノクローナル抗体技術とコンビナトリアルケミカルライブラリー技術を融合させ、口腔細菌とフィブロネクチンとの結合の分子機構を明らかにし、これをモデルに、病原微生物の宿主細胞への特異的付着の阻害を作用機序とする低分子化合物の開発基盤を確立することが本研究の到達目標である。前年度のヘキサマー・ポジション・スキャニングライブラリーのスクリーニング結果に基づき、32種の個別合成ヘキサマーペプチドの2次ライブラリーを構築し、そのヒットの検定を行った。しかしながら、十分な特異性結合性を示すペプチド配列は決定できなかったことから、ヘキサマーでは表現しきれない立体構造が抗体のエピトープであることが推定された。そこで立体構造の表現がより有利に行えると考えられる、長鎖(ノナマー)のポジション・スキャニング・ペプチドライブラリーを構築した。この際、これまでのヘキサマーライブラリーの構築での経験を活かし、複雑なノナマーライブラリーをヘキサマーよりも短時間で合成するという高効率化に成功した。ノナマーライブラリーのヒットの検定結果からは、実際にヘキサマーを凌駕する結果が得られ、特定の有望アミノ酸配列が示唆された。得られた配列の生物学的活性は、まだ感染症予防薬のリード化合物として十分なものではなく、ペプチドの環状化のような立体構造安定化のための方策の導入の必要性が示唆されたが、本研究の結果、これまで大変な時間と労力を必要とした長鎖ペプチドライブラリーの構築の大幅な効率化が可能となった。一方、中医学的の文献的考察によるスクリーニングに基づいて3種類の漢方薬原料が選択され、各々から天然物由来物質の1次化合物ライブラリーの構築を行い、活性の検定を行った。うち1つから有望な画分が見出された。これより2次ライブラリーが構築され、本方法論もまた有望なものであることが示唆された。
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Research Products
(2 results)