2005 Fiscal Year Annual Research Report
切削音や振動が骨伝導により脳内精神活動に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
16390542
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 茂 東北大学, 病院, 講師 (10142986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 恵子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90182419)
石幡 浩志 東北大学, 病院・助手 (40261523)
|
Keywords | 切削音 / 振動 / 骨伝導 / 脳内精神活動 |
Research Abstract |
歯科を受診する大多数の患者は、歯科治療を好んでいないのが現状である。その原因として、歯の切削によって生じる末梢神経性の痛みが主たる要因ではあるが、切削に用いるタービンやエンジンによって生じる「音」や「振動」も大きな要因と考えられる。 本研究では、切削音や振動が患者の精神活動に与える影響を明らかにすることを目的として研究を進めた。特に、音では二つの伝導経路(気導音、骨導音)のうち、頭蓋骨を通して聴覚器官に働きかける骨導音が脳内精神活動に影響を与える可能性が高いことが、平成16年度に作製した改造咽頭マイクロフォン・アンプを用いた研究で明らかになった。 平成17年度は脳内精神活動を探るため多用途生体アンプ:ポリメイトAP1000(デジックス研究所)を用いて、今回の実験に協力してくれた被験者の脳波を単極導出モンタージュ(12ch)法で記録した。その結果、歯の治療中の姿勢での12チャンネルでの脳波記録は、頭皮への電極貼り付けが難しく、安定した結果が得られなかった。そこで、額の部分を用いて右脳・左脳活動を同時に計測できる数値積分方式:2チャンネル携帯型脳波計:ブレインモニタEMS-200(アスク社)を用いて測定した。 その結果、3〜30HzのS帯域、8〜13Hzのα帯域そして13〜30Hzのβ帯域の検出が可能であった。これらの帯域での変化と、思考活動を反映するβ波をもとに、思考活動値(W=Σβ/Σα)処理データを検討することにより、前頭部左右脳波の相違と各波長S波、α波、β波およびW値が、歯科治療状況により変化することが判明した。つまり、歯科治療により左脳部の活動が活発になり、特に、電気エンジンや超音波スケーラーのような振動を与える治療で、α波およびW値の減少が見られたことにより、頭蓋骨を通しての骨伝導による影響が判明した。
|
Research Products
(1 results)