2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜をモデルとした細胞の感圧機構(メカノレセプター)に関する検索
Project/Area Number |
16390551
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
魚島 勝美 Niigata University, 医歯学総合病院, 教授 (50213400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 規孝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90313527)
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Keywords | 咬合性外傷 / 歯根膜 / 免疫組織化学 / オステオポンチン |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来確立されていなかった、歯根膜に対する力学的応力に対する組織応答検索のための動物実験モデルを確立し、細胞レベルでのたんぱく質の発現やアポトーシスを詳細に検索すること、および咬合圧という物理的ストレスを生化学的な信号に変換する歯根膜細胞の観察を通して、メカノレセプターの存在とそれを担う細胞を推定することの2点であった。 平成19年度には咬合力が加わらない条件下での歯根膜の組織変化について検索し、オステオポンチンに対する免疫組織化学を行なった。外傷的な咬合力が加わる条件下での発現のように、破骨細胞によるオステオポンチンの明確な発現が観察できなかったと共に、分泌されないオステオポンチンが細胞内に滞留する状況も確認できなかった。このことは、過度の咬合力に対する細胞内滞留オステオポンチンの存在が、その後の骨組織吸収に対して何らかの作用を持つ可能性を示しており、メカノレセプターは破骨細胞に存在する可能性が高いと考えられる。今後はこの上流に位置するRANKLについて詳細に検索する必要があると思われる。 歯根膜に対する熱刺激の実験モデル確立の試みを行なったが、簡便な装置による安定した刺激は得られず、これについても今後の課題とした。頭蓋骨に対する熱刺激実験の結果、骨基質そのものの変化はその後の骨形成を完全に阻害するわけではないことから、ストレスによる組織への影響には、骨組織そのものの変化は大きく関与しないと考えられる。今後は、軟組織に対する熱刺激と機械刺激に関する実験モデルによって、同一条件下における両者の比較をし、実験の簡略化を図りたい。
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Research Products
(1 results)