2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390570
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助教授 (60076057)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
飯島 まゆみ 朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
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Keywords | 炭酸含有アパタイト / 多孔体 / 骨芽細胞 / 担体 / 吸収性 / 培養骨 / ハイブリット体 / 骨誘導性 |
Research Abstract |
研究目的の一つは高気孔率を有する炭酸含有アパタイト(CAP)多孔体を創製することであった。CAP前駆体となるTe-CP(リン酸四カルシウム)およびαTCP(αリン酸三カルシウム)から糖溶出法を用い、多孔体を作製し、それからCAPへ転移させることを試みた。しかし、高温・高圧下では転移は可能であったが、常温常圧に近い環境ではいずれもCAPへの転移は不可能であることが判明した。これらに代わり、第二リン酸カルシウム二水塩(DCPD)の可能性を検討した。砂糖とDCPDの混合圧粉体から砂糖を溶出するとともにCAPへの転移を検討した。炭酸溶液を糖溶出溶液ならびにCAPへの転移溶液とすると、多孔体を保持したままCAPへの転移が起こり、高気孔率CAP多孔体が作製できることを明らかにした。 また、別に合成しておいたCAP粉体と糖溶出法を併用して作製した多孔体を焼結し、適度な強度を有するCAP多孔体を作製し、成長因子の保持能力について、bFGFを用いて検討した。ラット頭蓋骨骨欠損部へCAP多孔体とCAP-bFGF複合体を埋入すると、術後2週と12週のいずれにおいても新生骨量はCAP-bFGF複合体で有意に高くなることが示された。多孔体の吸収率はbFGFの影響を受けず、経時的に上昇するも、術後12週で10%程度であった。さらに、これらの研究に並行し、CAPとβTCPの破骨細胞吸収性の違いを分子生物学的に検索した。RT-RCPの結果からカテプシンK、TRAP mRNAの発現量はβTCPに比べCAPで有意に高いことが示され、CAPが破骨細胞吸収性に優れることが再確認できた。また、αVインテグリンとリン酸化ERKをウエスタンブロットで検出すると、接着性の指標となるαVインテグリンの現量には有意さは認められなかったが、リン酸化ERKの現量はCAPで有意に高く、破骨細胞の活性がこの基材で高いことが確証できた。さらに、CAP多孔体に1週間培養したラット骨髄幹細胞を播種し、その後1週間培養して得た"培養骨"をラット皮下に埋入すると、4週後には異所性に骨を形成することを組織化学的およびμ-CTで証明できた。現在、動物種の違いを検討することも目的の一つとして、比較的異所性石灰化を起こしやすいことが知られているビーグル犬でCAP多孔体自身の骨誘導能を検討中である。
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Research Products
(5 results)