2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚培養細胞による歯の再生とその再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
16390578
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (70361623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 泉 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (30221039)
相良 洋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50145041)
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Keywords | アメロゲニン / エナメル質 / 歯胚 / 歯胚細胞 / 歯胚上皮細胞 / 組織工学 / 担体 / 培養 |
Research Abstract |
平成18年度は、歯胚上皮細胞と歯髄細胞を混合させることでエナメル質形成能を評価した。 はじめに、in vitroにて、培養歯胚上皮細胞の特性を評価した。昨年度までに、われわれが開発した培養方法によって歯胚上皮細胞を3-5継代して、歯胚上皮細胞がアメロゲニンタンパクを分泌していることを蛍光細胞免疫染色とWestern blot法にて、ブタアメロゲニンを認識するアメロゲニン抗体にて確認した。次に、in vivoにて培養歯胚上皮細胞の組織形成能を評価した。実験方法は、われわれが開発した培養方法にて3-5継代した培養歯胚上皮細胞と同時期の歯髄細胞とをコラーゲンスポンジの担体の上で混合させて、免疫不全ヌードラットの腹部大網中に移植する。移植後4週・8週にて試料を採取して、組織学的および免疫組織化学的に評価した。第1のコントロールとして、歯冠形成期ブタ歯乳頭細胞の組織形成能を評価した。歯胚組織から歯髄細胞のみをコラーゲンスポンジに播種して移植した。これ組織像では、象牙質の構造は確認できたが、エナメル質の形成は確認できなかった。第2のコントロールとして、ブタ口腔粘膜上皮細胞を培養増殖させて歯髄細胞と担体の上で混合させて移植した。組織像から象牙質の構造は確認できたがエナメル質の形成は確認できなかった。実験群として、培養歯胚上皮細胞と歯冠形成期歯髄細胞とを担体上にて播種して移植した。移植後4週にて取り出した試料の組織像にエナメル質の形成過程が観察できた。すなわち、エナメル質形成の初期と考えられるサイトケラチン14抗体に陽性である上皮細胞の凝集の観察、象牙質のみが形成されその周囲にエナメル芽細胞と象牙芽細胞の配列を認める組織像、そして、エナメル芽細胞の配列に沿って、エナメル質の形成がヘマトキシリンエオジン染色にて容易に観察できた。また、このエナメル質は、in vitroで用いたアメロゲニン抗体にて陽性反応を示した。これらの結果から、われわれが開発した培養方法にて培養・増殖させた歯胚上皮細胞はアメロゲニンのタンパクを分泌し、歯髄細胞と混合させることでエナメル質を形成することを確認した。
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Research Products
(5 results)