2004 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素中性子捕捉療法の頭頸部悪性腫瘍への応用に関する研究
Project/Area Number |
16390589
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 逸郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60314390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 光博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70217701)
由良 義明 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00136277)
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20273534)
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90089136)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
|
Keywords | 口腔扁平上皮癌 / BNCT / BPA / BSH |
Research Abstract |
我々は腫瘍選択的に殺細胞効果を示すホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の頭頸部癌への適応を目指している。ヒト口腔扁平上皮癌の頬部移植ヌードマウスを用い、inoperableな進展例モデルを作製しBNCT分割照射の有効性を検証した。ヒト口腔扁平上皮癌株FI細胞を生後5-6Wマウス頬部に5×10^5個/50μlを接種し、4週経過後、腫瘍径が12-17mmに達したマウスを用いて以下の実験を行なった。^<10>B-enriched Borocaptate sodium (BSH) 75mg/kg腹腔内投与群は投与1時間後に、^<10>B-enriched boronophenylalanin (BPA) 250mg/kg腹腔内投与群は投与2時間後にそれぞれ熱中性子を照射した。熱中性子の照射時間は、80分間1回照射群と、40分間ずつ4週間隔で2回照射群に分け、総フルエンスは同じ設定した。BSH投与群、BPA投与群それぞれを1回照射群と2回照射群を分けて、腫瘍体積を経時的に測定した。生存率はKaplar-Meier法にて算出した。その結果60日生存率は、BPA-2回照射群が100%、であったのに対し、BPA-1回照射群は67%、またBSH-2回照射群は67%であったのに対し、BSH-1回照射群は0%と2回照射群の方が、BPA, BSHともに生存率が高かった。非治療群は17%であった。また、肉眼的に腫瘍消失が観察された期間は、BPA-2回照射群は50-67%で52-67日後の15日間、BPA-1回照射群は50%で17-28日後の9日間、BSH-2回照射群は17%で17日後の2-3日間に、それぞれ見られたが、BSH-1回照射群では腫瘍消失しなかった。ヒト口腔扁平上皮癌の進展例動物実験モデルを用いてBNCTの有効性が確認された。2回分割照射は1回照射より、BPA, BSHとも腫瘍制御期間、制御率や生存率でも明らかに効果的で、特に、BPA-2回照射群は腫瘍増殖抑制(制御)及び生存期間の延長に効果があった。
|
Research Products
(15 results)