2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生遺伝子VEGFを標的としたRNA干渉法による口腔癌遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16390599
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
松本 剛一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60199867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 宇錫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90288085)
大見 寧 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10318892)
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Keywords | RNA干渉 / VEGF / angiopoietin-1 / tumor angiogenesis |
Research Abstract |
目的:VEGFは腫瘍血管新生におけるもっとも重要な血管新生促進因子と考えられており、これを標的とした血管新生阻害による抗腫瘍効果が期待できる。そこでVEGFを標的としたRNA干渉法を扁平上皮に対する遺伝子治療に応用可能であるかを担癌マウスを用いて検討した。 方法:マウスVEGF mRNAに相補的な21塩基二本鎖オリゴDNAを合成後、ヘアピン型siRNA発現ベクターに挿入してVEGF siRNAプラスミドDNAを構築した。これをマウス扁平上皮癌NR-S1細胞に導入し解析を行った。 結果:in vitroにおけるsiRNA導入で60〜90%のVEGF mRNAのノックダウン効果を認めた。またC3H/Heマウス皮下にNR-S1細胞を移植し、腫瘍径が3〜5mmに達した時点からカチオニックゼラチンに包埋させたVEGF siRNAプラスミドDNAを腫瘍結節内に投与し遺伝子治療を行ったところ、対照群に比べ腫瘍増殖の抑制と腫瘍局所の血管数の減少を認めた。またVEGF siRNAプラスミドDNA投与群において腫瘍内に残存した血管はα-SMA陽性の成熟した血管であった。血管成熟にangiopoietin-1が関与すると考えられている。そこでangiopoietin-1の免疫染色を行ったところ、α-SMA陽性血管はangiopoietin-1を発現していることが明らかとなった。 結論:扁平上皮癌に対するVEGF RNA干渉法による遺伝子治療の有効性が示唆された。今後angiopoietin-1による血管成熟と抗腫瘍効果について解析を行う予定である。
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