2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌P.gingivalisの自然免疫逃避機構の解析
Project/Area Number |
16390614
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉村 篤利 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70253680)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宜興 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20244072)
|
Keywords | 歯周病原細菌 / 自然免疫 / 免疫逃避 / 蛋白分解酵素 |
Research Abstract |
歯周病原細菌P.gingivalisの自然免疫からの逃避機構を検討するために、gingipain欠損株P.gingivalisからgingipainにより切断・不活化されるToll-like receptor(TLR)2、TLR4非依存性自然免疫活性化因子の精製、同定を試みた。 まず、P.gingivalisのrgpA rgpB kgp遺伝子変異株KDP136を嫌気条件下で培養し、集菌後に低濃度の界面活性剤で菌体表層成分を遊離し、可溶化成分を抽出した。抽出物をイオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分画し、分画後の試料で、LPSやリポ蛋白等に非応答性のNF-κBレポーター細胞(7.19細胞)を刺激し、TLR2およびTLR4非依存性自然免疫細胞刺、激活性を測定して活性画分をスクリーニングし、精製試料を得た。試料をSDS-PAGEにより解析したところ、123 kDaのバンドが検出された。精製後の蛋白をマススペクトロメトリーにより解析したところ、P.gingivalis 33277株ゲノムのORF PGN0748にコードされる蛋白であった。更に、P.gingivalis KDP136のORF PGNO748を、アンピシリン耐性遺伝子cepAに置換した変異株を作製し、7.19細胞を刺激したところ、NF-κBは活性化されなかった。これらの結果から、P.gingivalis gingipain欠損株の保有するgingipain感受性自然免疫活性化因子は、ORF PGN0748によってコードされていることが示された。 また、PGN0748遺伝子は、P.gingivalis以外の菌種に相似な遺伝子は存在せず、P.gingivalisの菌株間においても存在様式が異なることが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)