2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390616
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
稲垣 幸司 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (50211058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 隆巳 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (90174002)
田口 明 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70243582)
石原 裕一 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50261011)
森田 一三 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50301635)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨密度 / 歯周病 / 地域歯周疾患指数 / フラクタル次元 / ビスフォスフォネート |
Research Abstract |
骨粗鬆症のため通院中の閉経後患者104名(67.7±6.1歳)である。全身所見として、身長、体重、体格指数(BMI)、閉経年齢、閉経年数、喫煙習慣を調査し、二重エネルギーX線吸収法(QDR4500、Hologic Inc、USA)により、腰椎正面骨密度(BMD)を測定した。口腔内所見として、現在歯数、全歯の地域歯周疾患指数(CPI)、オルソパントモから骨梁パターン解析と臼歯部の歯槽骨吸収率(ABL)、下顎骨の骨粗鬆症化度(Klemettiら、1994年)および歯の健康づくり得点(森田ら、2000年)を評価した。さらに、ビスフォスフォネート系薬剤による骨粗鬆症治療群19名と未治療群20名の1年後の口腔内所見の変化を検討した。 BMI21.4±2.6、閉経年数19.5±7.4年、喫煙者11名であった。また、BMDは、0.654±0.074g/cm^2、若年成人平均値に対する比率64.7±7.3%であった。一方、現在歯数20.5±7.9歯、歯周炎を示唆するCPI最大コード3以上の比率56.3±28.8%、ABL25.7±9.7%、下顎骨の骨粗鬆症化を示唆するKlemetti分類2度、3度93名(89.4%)、下顎骨骨梁のフラクタル次元1.589±0.035、歯の健康づくり得点14.4±4.2であった。現在歯数20歯以上の53名で、下顎骨骨梁のフラクタル次元と歯周炎が進行したCPIコード4以上の比率、下顎のCPIコード4以上の比率との間に、負の相関がみられた(r=-0.292、r=-0.330、P<0.01)。1年あたりに換算したCPIコード3、4の比率は、ビスフォスフォネート群では変化はないが、未治療群では悪化傾向を示した(-2.2%:15.3%)。 以上のことから、閉経後骨粗鬆症患者の下顎骨の骨粗鬆化は進行し、広汎性の慢性歯周炎に罹患していた。また、下顎骨の骨梁パターンと歯周炎の進行との関連性が示唆された。さらに、ビスフォスフォネート治療に伴う歯周炎の進行抑制の可能性が示唆された。今後さらに、被験者数を増やして、検討を重ねる予定である。
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Research Products
(4 results)