2006 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患、精神障害者の口腔の環境および機能実態に関する総合的研究
Project/Area Number |
16390620
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞木 吉信 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80125012)
安井 利一 明海大学, 歯学部, 教授 (20146252)
鶴本 明久 鶴見大学, 歯学部, 教授 (90188649)
山田 光彦 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・老人精神保健部, 部長 (60240040)
木内 祐二 昭和大学, 薬学部, 教授 (50204821)
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Keywords | 統合失調症 / 口腔環境 / 摂食・嚥下機能 / 薬力価換算値 / PANSS / DIEPSS / 唾液分泌量 / 介入研究 |
Research Abstract |
精神疾患、精神障害の病態および服薬と歯・口の器質的、機能的症状との関連を明らかにすることと同時に、在宅の精神障害者の口腔状態と保健・医療機関での歯科受療の必要度について検討する研究である。本年度(研究3年目)の研究内容は以下の通りである。 1.主任の向井と分担者の眞木、弘中らは、研究協力者と昭和大学附属烏山病院で統合失調症の入院患者83名について口腔環境・機能の実態について解析を行った。結果は、(1)一人平均う歯数、喪失歯数が多い、安静時・刺激時唾液分泌量が少ない、口臭を有する者・嚥下機能低下・咬合力低下している者の割合が高いなどの特徴が認められた。 2.分担研究者の山田、木内らは、研究協力者と共に口腔環境・機能実態と病態や薬剤との関連性について解析を行った。(1)精神症状尺度(PANSS)と口臭、食事動作との関連性が認められた。(2)服薬について、抗精神病作用・抗コリン作用の換算値との関連性は認められなかった。しかし、抗精神病薬に加え、抗コリン作用の強い抗精神病薬や降圧利尿剤を服薬している者に唾液分泌量の低下が認められた。また、食事動作のうち、一口量が多いなどの先行期障害は、抗不安薬服用者に多く認められた。 3.分担研究者の安井、内海らは、研究協力者の遠藤らと、埼玉県、神奈川県、品川区の在宅精神障害者の口腔内診査とアンケートについて解析をおこなった。結果は、(1)歯の状況は概ね良好だが歯石沈着が多く認められた。(2)口渇感を訴える者が多く認められた。(3)間食時の摂取食品に窒息の危険性が高いものを含む、口渇感のため飲料の摂取量や頻度が多いなど、食に関する指導が必要と思われた。 4.分担研究者の鶴本、村田らは、入院患者83名のうち唾液分泌が少ない者30名を対象に機能改善を目的とした介入効果について要因分析を行った。結果は、精神症状尺度が軽度の者に安静時唾液分泌量の改善が認められた。
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Research Products
(9 results)