2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者へのヒューマン・ケアリングアプローチの有用性の検討
Project/Area Number |
16390643
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20254469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 照絵 兵庫県立大学, 看護学部, 助手 (40438263)
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Keywords | 糖尿病患者 / あいまいな体験 / エンボディメントケア / 病気 / 生活 / 身体 / 感覚 |
Research Abstract |
平成17年度に引き続き、ヒューマン・ケアリングの考えを基にした、糖尿病患者への看護実践の知識と技術を体系化した看護実践モデル『エンボディメントケア』の洗練を行った。エンボディメントケアは「あいまいな体験に輪郭を与える」、「身体の理解を深める」、「身体の信頼感を取り戻す」、「新しい対処法(生活習慣)が身につく」という4つのコアとなるケアがあり、本年度はコアとなるケアのひとっである「あいまいな体験に輪郭を与える」ケアの具体的な介入プロトコールの検討を行った。 「あいまいな体験に輪郭を与える」ケアの具体的な介入プロトコールは、(1)身体の感覚に働きかける、(2)見ていなかった足を見る、(3)全身をくまなく見る、生活の体験を聴くという4つのケアで構成されている。プロトコールの構造は、ケアの態度とケアする人の体の距離や高さなどの物理的環境を含んだ姿勢と、説明をすることや動作と行為を含んだ手の動きや問いかけること、反応を捉える視点を含んだ働きかけで構成されており、基礎知識、必要物品、記録用紙を含めて開発した。 そのうち、(1)身体の感覚に働きかける介入プロトコールとして(1)「知覚を刺激して反応を捉える」<高血糖状態と知覚神経障害>、(2)「感覚するのを促す」<自律神経障害に伴う血圧調整が困難な身体>、<視力に働きかける>、<筋肉の収縮をみる>、<腱反射をみる>という5つの具体的なプロトコールを作成した。 (2)見ていなかった足をみる介入プロトコールとして、(1)「足の状態を見るのを促す」を作成した。 (3)全身をくまなくみる介入プロトコールとしては、<口腔をみる>、<皮膚をみる>、<お腹をみる>という3つの具体的なプロトコールを作成した。 (4)生活の体験を聴く介入プロトコールとして、(1)「語る状況をつくる」、(2)「ライフヒストリーを聴く」、(3)「生活の中に埋もれてしまった身体の体験を聴く」、(4)「患者が意味づけ・解釈した生活を共通理解する」という4つの具体的なプロトコールを作成した。
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