2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者へのヒューマン・ケアリングアプローチの有用性の検討
Project/Area Number |
16390643
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 University of Hyogo, 看護学部, 教授 (20254469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 照絵 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (40438263)
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Keywords | 糖尿病患者 / ケアリング / エンボディメントケア / 病気 / 生活 |
Research Abstract |
平成19年度はヒューマン・ケアリングの考え方をもとに体系化した糖尿病患者への看護実践モデル『エンボディメントケア』のコアとなる「あいまいな体験に輪郭を与える」ケアの具体的な介入プロトコールの検討および、その有用性の検討を行った。 「あいまいな体験に輪郭を与える」ケアは、「身体の感覚に働きかける」「見ていなかった足をみる」「全身をくまなくみる」「生活の体験を聴く」の4つのプロセスからなる。それぞれ、看護者の姿勢、問いかけ、手の動き、患者の反応を捉える視点からケアを構造化し、具体的な介入プロトコールを明らかにした。 有用性の検討では、ウィリアム・ホルツマーらによって開発されたヘルスケアリサーチのためのアウトカムモデルを用いた。外来通院中の2型糖尿病患者4名に研究協力を依頼し、研修を受けた慢性疾患看護専門看護師がプロトコールに基づいた看護介入を行い、ケアを通して得られたデータを質的に分析した。 結果、「あいまいな体験に輪郭を与える」ケアを受けることで、糖尿病患者は「生活を見直す」、「自分の日常と自分の体がつながっていく」、「意識が自分の生活や自分の身体に向いていく」という変化や、患者の中で「(生活や病気の)ストーリーがつながる」という変化が見られた。このケアを実践することで、患者自身がそれまでの生活の中で捉えていたぼんやりとした生活の体験に輪郭を与えていくことができるということが明らかになった。
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