2004 Fiscal Year Annual Research Report
13世紀〜14世紀の龍泉窯陶磁技法“青磁大皿"の復元的焼成研究
Project/Area Number |
16401002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
島田 文雄 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (90187435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 誠 東京藝術大学, 美術学部, 助教授 (30227665)
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Keywords | 龍泉窯 / 青磁大皿 / 復元 / 窯道具 / 龍窯 / 梅子青 / 紫金土 / 大窯 |
Research Abstract |
平成16年7月、1回目の研究会を開き今後の研究計画を立案。笠間窯業試験場にて、陶芸講座所蔵の龍泉窯青磁片、紫金土、龍泉粘土、窯道具、青磁釉のX線回析、分光反射率分析を実施。9月19日〜28日(10日間)東京芸大、清華大学、故宮博物院研究員、大学院生、計16名が参加、杭州市内の龍泉窯関係の博物館、古窯址、また龍泉窯の古窯址、古陶磁・焼成技法を現地調査。杭州老虎洞古窯址、杭州歴史博物館、漸江省博物館、南宋官窯博物館、慈渓市博物館、上林湖越窯古窯址、武義市博物館、陳大塘窯址、鉄店窯址、龍泉窯大窯、金村、木岱口の古窯址と現代作家工房を調査。途中、急遽旅程を変更し、龍泉窯研究の第一人者、朱白謙氏に会うため、麗水博物館(準備中)に行き、"龍泉窯青瓷"について意見交換をした。10月中国清華大学班による、収集した陶片の整理、X線回析を実施。12月、中国・故宮博物院所蔵の宋、元、明代の青磁大皿の形状、寸法、焼成法、文様の模写を実施。平成17年1月、中国清華大学班による龍泉窯の粘土、青磁釉の化学分析を実施。2月、調査結果の検討会議開催。同月、出光美術館所蔵の龍泉窯古陶磁の蔵品調査。3月中近東センターで出光美術館所蔵の龍泉窯青磁大皿の形状、寸法、文様模写を実施。同月、大阪東洋陶磁博物館所蔵の龍泉窯青磁品を調査。龍泉窯・大窯、金村に於いては、龍窯、階級窯の実地調査を行い、トチ、匣、陶片の研究資料を清華大学に搬送し、今後の研究資料とした。粘土は、紫金土、龍泉窯青磁土、青磁釉は梅子青、粉青、豆青の青磁破片を収集し、化学分析を行っている。日本・中国の現在の原料を使った実制作にむけ、龍泉粘土、青磁釉の科学的分析結果は、調合の基礎的資料として、大いに役立つものである。宋、元代の焼成法についても基礎的な調査ができ、見通しも立ったといえる。本年の調査結果は東京芸大の紀要で発表する予定。以上が本年度の実績である。
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Research Products
(1 results)