2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジル・パンタナールにおける熱帯湿原の包括的環境保全戦略
Project/Area Number |
16401023
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
丸山 浩明 立教大学, 文学部, 教授 (50219573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 助教授 (70296234)
吉田 圭一郎 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (60377083)
仁平 尊明 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (60344868)
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Keywords | パンタナール / ブラジル / 湿地 / エコツーリズム / 植生遷移 / 携帯型GPS / バイトカウンター / 水位変動 |
Research Abstract |
1.標本牛の首に携帯型GPSとバイトカウンターを装着して収集した、雨季と乾季のウシの行動・採食データを比較分析した。その結果、採食量には1日あたり約5〜8回のピークが認められることや、1日あたりのウシの平均移動距離が雨季には約10〜19km、乾季には約8〜13kmであったことがわかった。また、雨季には通年草地や森林内での移動・採食行動が頻繁に認められたが、乾季には一時的草地(バザンテ)での移動・採食行動が卓越することが定量的に裏付けられた。 2.放牧や伐採などの人為的ストレスが、草原から灌木林や森林への植物遷移にどのような影響を及ぼしているのか、開発の圧力が南パンタナールで最も高いミランダ郡の事例ファゼンダで植生調査を実施し、微地形に対応した植生構造や種組成の変化などを考察した。 3.これまで各地で継続的に実施してきた河川や湖などでの水質調査をミランダ郡の各地でも実施して、より広域的な地下水流動系の解明につながるデータ収集を行った。また、パラグアイ河畔のボルトエスペランサで、100年間にわたるパラグアイ川の詳細な水位変動データを発見・収集したことで、パンタナールの長期的な降水量変動の実態が明らかになった。 4.公園道路周辺のエコロッジやホテルなどを対象に、その発展や経営実態、直面する課題などについて聞き取り調査を継続的に実施してサンプル数を増やした。その結果、本地域の主要な観光宿泊施設についてほぼすべてのデータ収集を終え、客層の差別化を意図した施設問の多様な経営戦略や課題などが明らかになった。
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Research Products
(4 results)