2004 Fiscal Year Annual Research Report
住民参加型農村調査法によるガンジス川流域砒素汚染に関する開発援助方法論の研究
Project/Area Number |
16401030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (60281549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 健一 九州大学, 芸術工学研究院, 助教授 (50284956)
小林 正史 北陸学院短期大学, 教授 (50225538)
入谷 貴夫 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30211759)
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Keywords | 砒素汚染 / バングラデシュ / ネパール / 参加型調査法 / 意識と行動 / 集落構造 / 女性行動 |
Research Abstract |
本研究は飲料水砒素汚染問題に対する対策としての代替水源の建設・運用に関する文化的、社会的要因をバングラデシュおよびネパールの農村において参加型農村調査法を通して明らかにし、砒素軽減対策が文化的多様性に配慮した多元的計画となることに資するとことを目的として、初年度の研究を行った。 本研究計画では、バングラデシュおよびネパールにおいて、比較分析を行う予定であるが、本年度は、バングラデシュで一回、ネパールで二回の村落調査を行った。これらの調査では、その村落における世帯分布、豊かさ等の世帯的属性、飲料水源とその砒素濃度、砒素被害、水源等の自然資源、および社会的資源の分布などの基本情報を収集した。また、それらの基本情報に基づき、水に対する意識、女性の行動とその文化的・社会的制約、共有・共用の意識と実態、共同意思決定の過程、血縁、地縁に基づく社会集団の構成、範囲、集落の形成過程について、調査を行った。そして、上記の調査で得られた「土着」の意識、知識、能力を基盤とする代替水源対策をそれぞれの住民主導で立案し、現地で活動するアジア砒素ネットワークの協力を求め安全な水を供給する水源を建設し、その利用状況について経過観察を行っている。 重点は参加型調査法(PRA)を使い、住民の砒素問題に対する意識、集落構造が住民、特に女性の行動に及ぼす影響などについて調査であった。その結果、バングラデシュでは砒素問題に関する知識が住民にいきわたっているものの、ネパールでは限定的なことが分かった。また、集落の構造は二つの対象国で大きく異なっており、その違いが女性の行動に反映していることも明らかになった。
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