2005 Fiscal Year Annual Research Report
パプアニューギニア周縁部におけるローカルな「開発」思想と実践
Project/Area Number |
16401032
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
豊田 由貴夫 立教大学, 文学部, 教授 (20197974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 尚文 中京大学, 社会学部, 教授 (10170523)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (80153344)
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
紙村 徹 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (40295770)
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Keywords | 開発 / 文化人類学 / パプアニューギニア / 社会変容 / 観光化 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は以下のようになる。 1.以下の関係諸機関で聞き取り、統計・文献資料の収集を行った。 パプアニューギニア大学、国立統計局、東セピック州政府 (研究分担者の熊谷、豊田、ならびに研究協力者の新本による) 2.各地域での参与観察的調査 各研究分担者が、それぞれの調査地で以下の内容の調査を行った。 熊谷(ポートモレスビーの移住者集落にて、都市への人口流入の影響の調査、8月) 紙村(東セピック州クォマにて、ミッションの活動・観光化の影響などに関する調査、8月) 新本(研究協力者:東セピック州マプリク地域において、女性の経済活動に関する調査、1月〜3月) なお、豊田は別の調査にてパプアニューギニアを訪れ、以下の内容の調査を行った。 (東セピック州ウェワクにて、商業化の影響・観光化の影響の調査、8月〜9月) 3.学会発表 2006年3月、日本オセアニア学会にて、「独立30年後のパプアニューギニア」と題するシンポジウムを行い、豊田・熊谷・紙村が発表を行った。 4.得られた知見 パプアニューギニア住民の開発観について、いくつかの知見が得られた。 (1)開発の主体は「外部者」と認識していること (2)開発は外部から付与されるものであると認識していること (3)「外部」との非連続性が強く意識されていること (1)と(2)より、開発のために、住民「内部」からの主体的な努力が妨げられることになる。また、(3)より、住民の継続的な努力の結果、「発展」が達成できるとは考えないために、継続的な努力が妨げられることになる。これらは、「開発」の大きな障害となると考えられる。
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