2005 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の感染症対策における多元的医療アプローチの構築に向けた人類学的研究
Project/Area Number |
16401033
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Research Institution | Ohka Gakuen University |
Principal Investigator |
成田 弘成 桜花学園大学, 人文学部, 教授 (40189212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ブストス ナザリオ 桜花学園大学, 人文学部, 教授 (80340371)
富田 りか 東邦大学, 医学部, 助手 (90349895)
城川 美佳 東邦大学, 医学部, 助手 (10177785)
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Keywords | HIV / AIDS / 開発と文化 / ジェンダー / 教育と心理 / 医療人類学 |
Research Abstract |
研究代表者及び分担者の4人は、前年度に引き続き平成17年度においても、それぞれの担当するフィールドを調査し、発展途上国における感染症対策の問題を、特にHIV/AIDSを中心とした性感染症に焦点を置き、医学的治療以外の教育・心理・文化的アプローチの必要性を認識しつつ、明確化しようと試みた。成田弘成は、南太平洋のパプアニューギニア(平成17年8月11日から9月17日、平成18年3月11日から3月23日)およびタイ(平成18年3月25日から3月30日)を、ブストス・ナザリオは中南米のメキシコ(平成17年7月25日から8月24日)を、富田りかはアフリカのタンザニア(平成17年7月23日から9月16日)を、城川美佳は東南アジアのカンボディア(平成17年12月28日から平成18年1月3日)を、現地調査した。これらの調査は、基本的には、当該国における保健医療システム及びHIV/AIDSの流行状況とその対策の問題点を明確にするものであったが、同時に外部のグローバルな開発アクターを意識しながら開発援助の在り方をローカルなレベルで問いかける本格的コミュニティ調査、及びその準備も兼ねるものであった。平成17年度の成果として、国際保健医療学会ポスターセッション発表において(平成17年11月5日於東京大学)、城川美佳が医療アプローチにおける文化の重要性を主張し、及び国際開発学会「開発と文化」研究部会においては(平成17年12月10日於早稲田大学)、「開発と医療:エイズ問題」と題して、ブストス・ナザリオ及び富田りかが、それぞれのフィールドにおけるHIV/AIDSの調査報告を行い、感染症対策の必要性と今後の開発援助の在り方を示唆した。本年度は学会中心に活動し、多くの人々と知見を交えることを目指した。
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