2007 Fiscal Year Annual Research Report
市場システム形成下での中国西部地区経済の国内・国際的リンケージに関する調査研究
Project/Area Number |
16402013
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
金山 権 J. F. Oberlin University, 大学院・国際学研究科, 教授 (40296405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 出 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (10162041)
座間 紘一 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (30034870)
任 雲 桜美林大学, 国際教育センター, 准教授 (00337891)
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Keywords | 中国経済 / 地域経済 / 開発経済 / 資本移動 / 農村経済 / 農業近代化 / 農村過剰労働力 / 農村財政 |
Research Abstract |
今年度は(1)四川省社会科学院及び華中師範大学の協力研究者に委託して実施した四川省井研県および金堂県の農家家庭経済調査、湖北省石首市の農家経済調査の報告を分析し、それを基礎にして、同農村の補充調査、中国側共同研究者との研究交流を行った。(2)報告書執筆、成果を公表するための公開シンポジウムの準備(中国側共同研究者3名を招聘し、平成20年5,月に、桜美林大学で開催の予定)を行った。(4)研究成果報告書は9月末刊行の予定である。 農家個別調査の分析、補充調査で得た知見は以下の通り:(1)西部農村の労働力移動は過剰労働力をプッシュする段階からプルする段階に入りつつある。現地農村では高齢化、地域産業の担い手問題が発生している。(2)地域の産業振興、農業の産業化は上から、外地からの企業や人材導入を中核として進められている。そのため現地の産業や農業との有機的一体性を欠き、急激な規模拡大と外地からの飼料購入によって飼料コストの増大と経営赤字、糞尿処理問題が発生している。(3)農業の産業化は様々な分野で、垂直統合化する形で進みつつあり、農村の階層分化と多産業化が進展しつつある。そのテンポは遅く、都市と農村の経済格差は縮小していない。(4)出稼ぎ人口が多く、外地での定住が進んでいるが、土地利用権の転売や貸借は余り進んでいない。これが出稼ぎ農民のスムースな離農離村と農村での土地経営の集中と規模拡大を妨げている。(5)全体として「第二種兼業化」が進み、農業の産業としての確立の道は遠いと言える。(6)新農村建設は財政誘導で行われているが、現地農民の主人公としての主体的積極的参加は不十分である。(7)郷鎮政府や農村財政制度の再編では、末端の権限を県政府に集中することと村民自治との関係が問われている。
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Research Products
(4 results)