2004 Fiscal Year Annual Research Report
米州のFTA下における農業生産・貿易構造の再編とアグリビジネス展開の実証研究
Project/Area Number |
16402048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 武 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70030161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宣弘 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80304765)
磯田 宏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00193392)
佐藤 加寿子 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (80294908)
松原 豊彦 立命館大学, 経済学部, 教授 (50165859)
千葉 典 農林水産省, 農林水産政策研究所・企画連絡室, 企画科長(研究職) (80346692)
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Keywords | 自由貿易協定 / 北米自由貿易協定 / 南米南部共同市場 / フェアトレード / カナダ / メキシコ / ブラジル |
Research Abstract |
本年度は,平成16年度「研究の目的」と「研究実施計画」に沿って,以下の研究を実施した。 第一に,理論的・研究史的検討と海外調査準備のための研究会を九州大学(福岡市)にて実施し,課題のうち特に北米自由貿易協定の加盟国農業への影響に関する先行研究をサーベイして今年度海外調査の課題を明確化した。 第二に,ブラジル,カナダ,アメリカ合衆国,メキシコにおいて海外調査を実施した。 ブラジル調査においては,市場統合が進展する下でのブラジルコーヒー農業部門の構造変化について,大主産地であるミナス・ジェライス州でのコーヒー農場と農業団体での調査にもとついて明らかにし,併せて農業生産者の自主的取り組みとしてのコーヒー・フェアトレードの発展について把握した。 カナダでは北米自由貿易協定の下でのカナダ畜産部門の構造変化について,ブリティッシュ・コロンビア州,サスカッチュワン州における調査にもとづいて実態を明らかにした。 メキシコでは,北米自由貿易の下で米国から大量のトウモロコシが流入することになったことの実態,影響および対応について,ハリスコ州とプエブラ州での現地調査と州政府・農業団体での情報・統計収集にもとついて把握した。とくにハリスコ州では平坦で灌概された有利な農地基盤のうえで商業的・企業的農業開発をつうじた対応が見られ,プエブラ州では傾斜的で灌概や機械化が進んでいない条件下で零細農民が自己生産トウモロコシをトルテージャ(トウモロコシ粉を主原料とする薄焼き)に加工する協同組合的事業を創設することで対応するという対称的な動向を析出した。 アメリカ合衆国では,北米自由貿易下でメキシコからの園芸農産物輸入が増大する実態と,それがカリフォルニア州,ワシントン州の園芸部門に与える影響について,大学および現地農場での調査によって実態を把握した。
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Research Products
(6 results)