2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア域の水害生起と異常気象現象の遠隔影響及び将来予測に関する調査研究
Project/Area Number |
16404006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
近森 秀高 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (40217229)
河村 明 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (10177735)
諏訪 浩 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00093253)
吉谷 純一 独立行政法人土木研究所, 上席研究員 (90355834)
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Keywords | エルニーニョ南方振動 / テレコネクション / 水害発生ポテンシャル / 社会影響評価 / リスク予測 / 土地利用変化 / 異常気象 / 時空間相関 |
Research Abstract |
東アジアの水災害の歴史的経緯と諸相を明らかにすることを目的として、エルニーニョ南方震動現象(ENSO)などの東アジア圏外のよりグローバルな気候、海洋気象要素との関連、水害の社会への影響と軽減の方策、今後予測される水害リスクを調査した。 (1)東アジア水害経緯図・年表の作成:これまでに収集した過去の洪水資料・渇水資料を精査し、20世紀の水害(洪水・渇水)をレビューした。また、東アジアの水害経緯図(空間分布時系列図)および年表として系統的に整理する。各地域における人口、経済発展指標、水利用形態、主要産業の変遷と人的被害、物的被害、洪水・渇水の規模と水害の発生状況の関連を分析した。 (2)水害と異常気象の時空間相関及びテレコネクション:気象観測データおよび20世紀(1900年以降)の洪水・渇水情報と、実観測データを用いたグローバルスケールの遠隔影響(テレコネクション)の解析結果をつき合わせて、近年の水害が経年的にどのような推移をたどっているか、また、グローバルな気温上昇や異常気象・気候とどのような関係にあるかを検討した。 (3)土地利用変化による水害発生ポテンシャルの解明:人間活動による大規模な地表面改変が水害に及ぼす影響について、東アジア地域における斜面崩壊・土石流の大きな災害事例を対象に、それらの発生原因と地域性を明らかにする。東アジアにおける土地利用の変遷について、農地開発、森林伐採、砂漠化と洪水、渇水、土砂動態、地滑りなどの水害発生メカニズムとの関連を調べた。 (4)水害の生起特性、社会影響評価とリスク予測:近年の東アジア各国・各流域の水害生起頻度を調査するとともに、その頻度が時代の変遷にともなってどのように変化しているか、その変遷と土地利用変化との関連を明らかにする。社会の変化という観点から、中国・朝鮮半島などの近年の水害を事例に、水害頻発の原因の把握を試みた。
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Research Products
(6 results)