2004 Fiscal Year Annual Research Report
永久凍土地帯におけるガスパイプラインからの天然ガス漏洩による地球温暖化への影響
Project/Area Number |
16404022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
赤川 敏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特任教授 (90360932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
BROUCHKOV Anatoli 北海道大学, 総合博物館, 教授 (80333649)
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Keywords | 永久凍土 / チルドガスパイプライン / 天然ガス漏洩 / 凍上 |
Research Abstract |
1)アラスカ、カナダ、シベリアにおける調査の対象となるべきガスパイプラインの一次選定および事前調査 北米地域に関してはアラスカ大学Huang教授およびYoshikawa助教授が分担し、ロシアに関しては北大のBrouchkov教授が分担した。 アラスカ大学からの報告書によると、北米においては、やはり永久凍土地帯には大規模な幹線ガスパイプラインは存在せず、カナダのマッケンジー・ガスプロジェクトと米国のアラスカ・ガスパイプライン計画のみが存在する。後者の計画は2012年に竣工することが既に決定している。結果として、北米での現地調査はあり得ないことが確認された。 ロシアにおいては、外国人の訪問が基本的には許可されていない西シベリアにおける現地調査を平成17年度に実施するために、信頼し得るパートナーの選択をまず実施した。当該調査においては、事前の調査で候補に上がったロシアの研究者・技術者とH16年夏に現地で面談して実施した。結果としてInstitute of Earth Cryosphere所長のDr.V.Melnikov(アカデミシャン)を主要なパートナーとし、西シベリアのガスパイプラインに関する現状調査を依頼した。Melnikovの調査報告によると、我々の既往の調査同様重大なガス漏洩が多発し、その原因調査は十分実施されていないとの印象を受けた。また、彼はH17年度の現地調査に向けての協力を了承し、また今後実務上課題となるであろう各種費用の公的な送金方法も実施の上確認することができた。 2)アラスカ州フェアバンクス市における現地実大実験 平成11年から15年9月までの実験で成長した、フロストバルブを融解(冷却をせず放置)させ、これに伴う地盤およびパイプの沈下挙動をアラスカ大学の協力で継続的に計測した。また、チルドガスパイプラインの挙動として設計・保守上重要となる部分的に非永久凍土地帯における凍上挙動を把握する方法を提案した。具体的には、1)凍土の熱伝導解析と,実験式である高志の式を組み合わせて用いることにより,凍上量と凍上圧力の簡易推定が可能になることを示した。次に2)この結果を弾性床上ばりにモデル化したパイプラインのたわみ曲線に適用したところ,フェアバンクスでの実験結果と極めて整合性の良い解が得られ,凍土中におけるパイプライン挙動評価手法の方向性が確認された。
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Research Products
(4 results)