2005 Fiscal Year Annual Research Report
永久凍土地帯におけるガスパイプラインからの天然ガス漏洩による地球温暖化への影響
Project/Area Number |
16404022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
赤川 敏 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特任教授 (90360932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
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Keywords | 永久凍土 / チルドガスパイプライン / 天然ガス漏洩 / 永久凍土調査 |
Research Abstract |
1)西シベリアのガスパイプライン調査 ・平成16年度の調査結果より、Institute of Earth Cryosphere所長のDr。V.Melnikov(科学アカデミー会員)に本年度の西シベリア訪問のアレンジを頼んだ。8月26日から9月3日までの期間に西シベリアのPangodiを拠点にMedbejeガス田の全区間を視察・調査した。西シベリア到着以降は現地のNadymGasprom(ガス生産会社)が移動手段等の手配を全て整えており、2名の技術者が帯同し技術的な質問に対応してくれた。同時にTyumenの石油・天然ガス大学の教員2名も帯同し、その1名が通訳の任にあたってくれた。 ・ソ連時代(1970年代)に盛土内に敷設された当該ガスパイプラインは、現在そのほとんどが地上に露出しており、その一部は永久凍土の融解に伴う池に浮遊している。当初120気圧で天然ガスを搬送する計画であったが、その後の生産量の減少から現在のガス圧が20気圧と低下しているため、ガスパイプラインそのものの安全率が非常に過大となっている。このため、パイプラインの現状は日本では考えられない危機的状況にも拘らず、比較的問題なく機能している。 ・この現状に関してNadymGaspromのエンジニアと最終日に討論したところ、若年のエンジニア達は現状を「繰り返してはいけない惨状」と認識していることが分かった。また、このような状況を回避するには「搬送ガスの冷却」と「計画・設計時の綿密な永久凍土調査」が必須であることを共同の認識とした。 2)北米での関連する調査 ・上記のような「計画・設計時の綿密な永久凍土調査」の重要性の認識から、アラスカにて計画中のガスパイプラインの永久凍土調査に対応すべく地表からの非破壊探査法の総合的な評価実験をアラスカ大、東北大、北大合同でアラスカで10月3日から13日に実施した。 ・評価対象とした非破壊検査手法は電気探査、弾性波探査、地中レーダー、磁気探査である。現在計測結果の一次解析が終了し、これら手法の得失と相互補完法に関する検討を実施している。 ・この活動は当初の計画に無かったが、シベリア調査に関わる費用がNadymGaspromの協力で軽微であったことと、非破壊調査法の重要性から年度予算の残額を充当して実施した。
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Research Products
(3 results)