2005 Fiscal Year Annual Research Report
台湾及び日本における暖温帯域の分子植物地理学的研究
Project/Area Number |
16405014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 哲明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60192770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 真 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80204494)
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Keywords | 台湾 / 分子植物地理学 / 暖温帯 / 葉緑体DNA / 塩基配列 / 食植性昆虫 / 照葉樹林 |
Research Abstract |
今年度も昨年度に引き続き、これまでにcpDNAやアロザイムの解析において多くの種内多型が見出されているボタンボウフウ、ハマウド、ツワブキ、バクチノキ、ホルトノキ、ハナミョウガなどの植物種のサンプルを、台湾および日本各地で採集する必要があった。そのために研究協力者の亀田勇一と佐藤博俊を台湾に派遣し、上記やその他の日本産のものと比較可能な植物種のサンプル採集を行った。また同時に、ノミゾウムシなど植食性昆虫についても台湾であわせて行った。一方、上記の植物種群および昆虫類については、日本産の植物サンプルの材料採集も行った。そのために研究代表者の村上哲明、研究協力者の瀬尾明弘、美和秀胤、佐藤博俊、岩崎貴也らを日本各地に派遣して材料採集を行った。 台湾および日本で採集した植物および昆虫サンプルは京都大学の実験室で解析した。植物については、cpDNAの塩基配列解析とアロザイム多型解析を、昆虫についてはmtDNAの塩基配列解析を行った。多数のサンプルについての解析が必要なことから、4月〜10月まで研究支援者として美和秀胤を雇用した。さらに、研究協力者の佐藤博俊、岩崎貴也にも1月に解析の補助をしてもらった。得られた分子データに基づいて、植物、昆虫の種ごとに種内の分子マーカーの多型の分布状況を地図上に表示し。さらにそれらを異なる植物種間、さらに植物と昆虫のものの比較もすることによって、シイ型暖温帯林の歴史的成立過程を考察した。食植精魂中については、共通して島根県から岡山県に境界が見出されてきた。また、西日本と東日本の間にも遺伝的分化が共通して認められた。
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Research Products
(3 results)