2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジア原産ミツバチのショ糖分解酵素の分子機構に関する調査
Project/Area Number |
16405025
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90186312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 春英 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80241363)
奥山 正幸 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00344490)
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Keywords | アジア原産ミツバチ / α-グルコシダーゼ / 蜂蜜生成 / 国際情報交換 / タイ:韓国 |
Research Abstract |
我々は、西洋ミツバチを対象に蜂蜜生成のキー酵素であるショ糖分解酵素(α-グルコシダーゼ)を研究してきた。その理由は「蜂蜜の生成が極度に高い基質濃度・生成物濃度(85%)の条件」で行われるからである。その結果、異常な反応条件に適応した3つの酵素を見出した。研究の最終の到達地点は、1)ミツバチ属における蜂蜜生成の分子機構を究明、2)活性化を招くアロステリック構造を決定、である。しかし、蛋白構造の比較対象がないため作業は難航しており、アジア原産ミツバチの酵素データに期待している。本申請の目的は、タイ・韓国の4種ミツバチについて、A)基質・生成物-活性化型のアロステリック酵素が存在すること;B)各ミツバチ種が行う蜂蜜の生成機構の特徴を比較;C)アイソザイム発現に時空間制御があることの確認、を調査することである。本年度の成果を以下に示す。 タイに生息するクロ小ミツバチと大ミツバチおよび韓国の東洋ミツバチ(原亜種)を中心に調査した。1)大ミツバチと東洋ミツバチ(原亜種)に対し、3酵素が存在することが判明した。特に、蜂蜜生成型酵素に関しては、クロマト法と遺伝子解析法によって確認された。2)クロ小ミツバチからは、2酵素は見出されたが、蜂蜜生成酵素に対応するアイソザイムが確認できなかった。マルハナバチに見られる「2アイソザイム系」の可能性も否定できないが、詳細な解析を行う必要がある。3)いずれの種からもアロステリック酵素が確認され、ハナバチに必須であることが明らかにされた。4)タイの海外共同研究者であるChanchao助教授は、大ミツバチにある蜂蜜生成型酵素の遺伝子単離に成功した。本調査から派生した研究成果であり、次年度以降の共同研究を申込まれている。
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Research Products
(11 results)