2004 Fiscal Year Annual Research Report
火の影響下にある熱帯林における種組成変化のメカニズムの解明と炭素シンク機能の予測
Project/Area Number |
16405027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
清野 嘉之 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, 領域長 (10353666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 保 独立行政法人森林総合研究所, 森林植生研究領域, 主任研究官 (20353708)
太田 誠一 京都大学, 農学研究科, 教授 (10346033)
神崎 護 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183291)
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Keywords | 土地利用 / Schima wallichii / pyrophyte / 炭素蓄積 / 繁殖生態 / バイオマス / 生物多様性 / インドネシア |
Research Abstract |
1 当年度の研究目的 土地利用パターンとSchima wallichiiの分布調査、焼畑休閑林や草地の炭素量調査を行う。個体群動態モデルのパラメータを得るため、種特性の実験と観察を始める。 2 当年度の試験研究方法 南スマトラ州スバンジルジ地区とその周辺で1970年代以降の土地利用履歴と代表的耐火性樹木であるSchima wallichiiの分布の関係を衛星写真と現地調査の結果から解析した。東カリマンタン州ブキットスハルト地区の自然林の1998年の火事跡で前回の測定から5年が経過した植生25ケ所(ブキットスハルト試験地)を再測した。種特性調査のため、南スマトラ州M社有地に苗畑用地を選んだ。南スマトラ州スバンジルジ地区で耐火性樹木が優占する2、4、6年生の焼畑休閑林の地上、地下バイオマス、下層植生、リター、枯死材量を計測した。東カリマンタン州ブキットスハルト地区周辺で、前回の測定から12年が経過した草原8ヵ所(バトゥア試験地、アンボラワン試験地)で地上、地下バイオマス、土壌を再測し、リター、枯死材量を計測した。以上の一部はボゴール農科大学、インドネシア企業(M社)と共同で実施した。 3 当年度の研究成果 Schima wallichiiは1970年代に一次林に覆われていたり、草原化していたりしたところには少なく、森林の分断化が進んで草原とモザイク状になっていたところに多かった(南スマトラ)。類焼した自然林や草原のモニタリング地では本種の増加傾向が認められなかった(東カリマンタン)。本種を含む焼畑休閑林のバイオマス蓄積変化速度は3.85〜10.62tha^<-1>year^<-1>(南スマトラ)であった。本種は、分布拡大は遅いが、いったん定着すれば非早生の植栽木と遜色のないバイオマス成長をする樹種であると考えられる。
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Research Products
(8 results)