2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16405035
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10271751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (10292096)
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Keywords | トリパノソーマ エバンシ / 診断 / 疫学 / アフリカ / アジア / LAMP法 |
Research Abstract |
本年度はLAMP法によるトリパノソーマ鑑別診断法を確立した(論文投稿中)。 LAMPプライマーTBG1、CON2、CRU3およびTEV1はそれぞれ、T.b.gambienseの5.8S-ITS2(アクセッション番号AF306777)、T.congolenseの18S rRNA(アクセッション番号U22315)、T.cruziの18S rRNA(アクセッション番号AF301912)およびT.evansiのRoTat 1.2(アクセッション番号AF317914)を標的遺伝子とし、対応するトリパノソーマ種に特異的であった。これらのプライマーのうち、TEV1を用いてT.evansi汚染国であるブラジル(ウシ)、モンゴル(ウシ)および中国(新疆ウイグル自治区・馬)血液由来DNAを検査したところ、それぞれ2.5%、0.4%および90%の検体が陽性であった。サンプリングしたブラジルの牧場では比較的行き届いた家畜管理を行っており、サンプリング時期もトリパノソーマ症の発生が少ない乾季であったため、陽性率が低かったと考えられる。モンゴルは冬季の気温がマイナス20℃を下回り、ベクター昆虫の生息が制限されているか、在来種のウシが感染抵抗性である可能性が大きく、ほとんどの個体が陰性であった。一方モンゴルの南に位置するアルタイ山脈に隣接する新疆ウイグル自治区では非常に高い感染率であった。しかし、ほとんどの馬は臨床症状を示していなかったため、持続感染状態を維持している可能性が高い。ユーラシア大陸中部〜北部でのトリパノソーマエバンシ汚染状況に関する詳細な情報はほとんどないので、さらに詳細な分布状況を調べることで、興味深い疫学情報を得ることができると思われる。
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Research Products
(3 results)