2004 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ放射能汚染地域に棲息する生物の体内核種動態と遺伝子損傷
Project/Area Number |
16406019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 裕夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20237275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本行 忠志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90271569)
斎藤 直 大阪大学, ラジオアイソトープ総合センター, 教授 (50153812)
梁 治子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90301267)
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Keywords | チェルノブイリ原発事故 / 内部被曝 / 生物濃縮 / 低線量放射線測定 / 遺伝子損傷 / 食物連鎖 / 低線量率放射線被 / 放射能汚染 |
Research Abstract |
ミンスクにあるベラルーシ科学アカデミー細胞遺伝学研究所を拠点とし、非汚染地区(ミンスク郊外)、ゴメリ地区における60Kmゾーン内(立ち入り規制汚染地域)低濃度汚染地区(バブチン村)および高濃度汚染地区(マサニ村)の環境放射線線量測定、研究資材の入手、保管、サンプルの定量測定、生物学的実験等を目的とする本研究において、今年度は、ゴメリ地区の低濃度汚染居住地区におけるサンプル採取ならびに測定を行った。 採集した食用植物(林檎、梨、南瓜、ナッツ、クルミ、キノコ)を精密天秤で正確に秤量し、それぞれをγ線測定用プラスチックチューブへ分別し、井戸型ゲルマニウム半導体検出器にてγ線スペクトルを測定した。測定方法は、セシウム137のβ壊変により生成するバリウム137mのγ線スペクトル(0.66MeV)が1000カウントされるまでの時間を測定し、グラムあたりのBq(ベクレル)を算出した。その結果、事故後18年経過した居住区許可汚染地域内で栽培、収穫されている食用植物中には最低0.19Bq/kg(林檎)〜最高210Bq/kg(ナッツ)までのセシウム137含有量の幅が検出された。これらのセシウム137による放射能は、自然界に存在するカリウム40の平均的食物中量に比して少ないレベルであった。この量が、棲息生物への自然放射能摂取量の過剰摂取量として影響する量かどうかが今後の検討課題である。 汚染地域でのセシウム137微量持続的摂取による放射線生物影響の実験室内におけるシミュレーション実験のための準備を開始した。現地採取動物と実験室内でのセシウム137投与動物の放射線被曝によるDNA二本鎖切断の定量比較実験の準備が整った。
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Research Products
(3 results)