2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16406030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛島 廣治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 賢治 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官(研究職) (60130415)
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Keywords | 下痢症ウイルス / ノロウイルス / ロタウイルス / HIV / タイ:ベトナム:中国:ロシア / 診断 |
Research Abstract |
ノロウイルスの迅速診断としてのイムノクロマト法の開発を進めた。遺伝子工学的に作成したウイルス様粒子を抗原として作製したポリクローナル抗体を利用した場合はゲノタイプ特異性が強く出た。一方、ゲノタイプを広く認識できるモノクローナル抗体も得られ、その有用性が確認された。また、ノロウイルスのEIAキットの評価を2004-2005の便検体を用いて、RT-multiplex PCRと比較した。臨床では使えるが、GII/3、GII/6の検出率は低く改良が必要と思われた。ノロウイルスの遺伝子診断に迅速で簡便なLAMP法を開発した。RT-PCR法と比較したところGIIは一致したが、GIに関しては感度・精度に問題があり改良が必要であった。ただGIの検体の割合は少ないため問題は少ない。 タイ国チェンマイで2002年-2004年に急性下痢症で入院した乳幼児のウイルス検索を行い、主たる起因ウイルスはA群ロタウイルスであり、ウイルス陽性(56.5%)中64.3%であった。また稀なロタウイルスG3P[3]株に関して詳細な検討を行った結果、ヒト-動物間でのreassortantの可能性が示された。 ベトナムの2002年から2003年のA群ロタウイルスのPタイプを調べたところP[4]、P[8]が多く40.5%と22.0%であった。非常に稀な G4P[6 ]の株が見出された。 2003年-2005年のわが国 5都道府県の小児科外来での下痢便から40.6%でウイルスが検出され、ノロウイルス(39.2% )、A 群ロタウイルス33.0%、アデノウイルス11.5%、サポウイルス9.0%、アストロウイルス2.8%、C群ロタウイルス0.2%であった。ノロウイルスはGII/3の新しいrecombinant株やGII/4が主であった。ロタウイルスの血清型はこの1、2年変化が見られた。G3が2003年-2004年に多くG1は非常に少なかったが2004-2005年では再度G1が多く見られた。ロタウイルスのこのような変化に関係する要因を今後も検討する必要がある。サポウイルス、腸管アデノウイルスの流行が1地域で見られた。ノロウイルスのゲノタイプ間の組換えが中国(雲南)および極東ロシアでも見られた。 ベトナムでHIV陽性の母親から生まれた乳児の末梢血検体を得た。28サンプルすべてv3領域はCRF01_AEであった。遺伝子解析とサブタイピングPCRで決定を行い、後者の有用性を確認した。薬剤耐性株はなかった。
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Research Products
(24 results)