2006 Fiscal Year Annual Research Report
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16500003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小林 邦勝 山形大学, 工学部, 教授 (40007191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早田 孝博 山形大学, 工学部, 助手 (50312757)
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Keywords | 代数体 / 公開鍵暗号 / ナップザック暗号 / LLLアルゴリズム / 巡回セールスマン暗号 / トリボナッチ数列 / RSA暗号 / 素因数分解アルゴリズム |
Research Abstract |
本年度は、NP完全問題の暗号への応用とNP完全問題を用いた公開鍵暗号の設計、ならびに、公開鍵暗号の安全性に関する研究を行った。 1.公開鍵暗号の設計に関しては、ナップザック問題を用いた条件付ナップザック暗号の設計を行い、LLLアルゴリズムに対する強度評価を行った。絶対値の等しい公開鍵を含むままの状態ではLLLアルゴリズムを用いる攻撃法に耐性をもつが、公開鍵を変形されてしまうとLLLアルゴリズムで解読される割合が高くなる。また、巡回セールスマン問題に関しては、前3項の和で次の要素が定まるトリボナッチ数列を都市間距離として用いる場合に、セールスマンの辿った経路長から巡回経路が一意に定まるための条件について検討を行い、そのアルゴリズムを与えた。 2.RSA暗号の安全性に関する研究として、床関数(誤差関数)を用いた素因数分解アルゴリズムの高速化について検討を行った。この方法はFermat法を拡張した素因数分解法であり、O(n^<1/6>)のコンピュータを用いた場合の計算量はO(n^<1/3>)となり、O(n^<1/4>)のコンピュータを用いた場合の計算量はO(n^<1/4>)となり、並列計算を行うことにより、現時点で最も高速な素因数分解法である数体ふるい法よりも高速化がはかられる。
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