2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンパイラにおけるSSA形式を用いた変換と最適化の新しい方式とその検証器の研究
Project/Area Number |
16500016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々 政孝 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (20016182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝本 宗宏 東京理科大学, 理工学部, 講師 (00318205)
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Keywords | コンパイラ / 最適化 / 静的単一代入形式(SSA形式) / 検証 |
Research Abstract |
1 SSA形式(静的単一代入形式)における変換と最適化 (1)SSA形式から通常形式への逆変換法の評価 SSA逆変換の方法にはいくつかの方法があるが,それらの方法の利点・欠点,実際に適用した際の目的コードの品質等について評価した研究はなかった.本研究ではBriggsらの方法,その改良案,Sreedharらの方法の三者について,SSA逆変換後の目的コードにおけるコピー文の数や実行時間などをSPECベンチマークで評価した.その結果,Sreedharらの方法が優位であることが判明した. (2)SSA形式での最適化 SSA形式での最適化は種々提唱されているが,まだ不十分な点が多い.たとえば共通部分式除去のアルゴリズムでは,SSA形式のφ関数を越えての共通部分式の判定が困難であった.本研究では,φ関数を間に挟んだ共通部分式を効率よく発見するアルゴリズムを開発し,実装した.この方法により,大域的値番号付けと部分冗長除去が行える. 2 コンパイラの最適化器の検証器 コンパイラにおける各種最適化器の正しさを確認するのは一般に難しい.本研究では,最適化の適用前と適用後のプログラムの同値性をトレースに基づき検証する手法を開発し,実装した.これは比較照合法という手法に基づいている.これをコンパイラ・インフラストラクチャCoinsに適用し,未知のバグ(虫)を含めて最適化器の4つのバグを発見することができた.
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Research Products
(3 results)