2006 Fiscal Year Annual Research Report
有線・無線混在ネットワークでの不特定多数ユーザ向けグループ通信ミドルウェア
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16500031
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
安本 慶一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (40273396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 直樹 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40335477)
村田 佳洋 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (40362834)
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Keywords | アドホックネットワーク / 無線通信 / マルチメディア通信 / マルチキャスト |
Research Abstract |
今年度の研究では,都市部の多数の歩行者が携える携帯無線端末が構成するアドホックネットワークを対象とし,アドホックネットワーク上の多数の端末に同時にビデオを配信する手法を考案し実現した.近年,モバイルアドホックネットワーク(MANET)上でビデオなどのマルチメディアデータを多数の携帯端末に同時にストリーミング配信することを目的に,遅延や帯域幅などの複数のQoSに関する制約を満たすマルチキャスト木を動的に構築する手法が研究されている.MANET上のマルチキャスト木構築は,QoSの制約だけでなく,経路の安定性,省電力など,様々な目的に対する最適性を同時に考慮できることが望ましい.最適なマルチキャスト木を求める問題はNP困難であるため,近似解法として遺伝的アルゴリズム(GA)を用いる方法が提案されている.しかし,既存手法は,集中制御方式に基づいており,移動ノードの計算資源および通信資源の点で,大規模なMANETに適用するのは困難であった.本研究では,省電力性や通信の安定性など任意に指定した目的に対し,準最適なマルチキャスト木をMANET上の複数のノードで分散して計算し構築するGAベースの手法を考案した.考案した手法では,MANETを複数のクラスタに分割し,各クラスタ内およびクラスタ間の2階層でそれぞれ配送経路を算出し,それらを組み合わせてマルチキャスト木とすることにより,スケーラビィリティを高める工夫を行った.本手法をネットワークシミュレータ上に実装し,既存手法の一つであるAQM (Ad Hoc Quality of Service Multicast Routing)と比較した結果,消費電力最小,木の安定性最大など様々な目的に関して,より優れたマルチキャスト木を構築できることが分かった.
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Research Products
(6 results)