2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ・ネットワークの故障診断アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
16500032
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
増山 博 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (30034391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 力 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (80294338)
笹間 俊彦 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助手 (80362896)
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Keywords | コンピュータ・ネットワーク / 故障診断法アルゴリズム / 非適応型テスト法 / 故障発見時間 / 平均移動パケット数 / テスト回数 / 分散モデル / テストグラフ |
Research Abstract |
今年度は2論文を発表した。 (1)H.Masuyama and K.Watanabe,"New Non-Adaptive Distributed System-Level Diagnosis Method for Computer Networks" Proceedings of 1st ICETE, pp.161-168,2004: 本論文は、本研究代表者が提案している新しいコンピュータ・ネットワークの診断法について、理論的シミュレーションにより、その有効性を発表したものである。本法の着眼点は、ハイパーキューブの持つ指数関数的な性質に着目して、効率の良いリアルタイム用診断アルゴリズムのためのテストグラフが作成できたことにある。本法は、モニタを仮定したテストグラフを用いた診断法として、各ノードが独立してローカルな診断を行う分散モデルで、テスト順序が決まっている非適応型テスト法の一つである。この非適応型テスト法での所要テスト回数、診断アルゴリズムの時間計算量および最適診断能力を解析し、統計的故障分布の下での有効性についてシミュレーション実験により証明している。続いて、診断プロセスを減少させる2つの改善法について検討し、その有効性を解析とシミュレーション実験により示すことにより、その中の一手法が最適であることを証明している。さらにこのテスト法の診断アルゴリズムを開発、他のアルゴリズムである適応型テスト法(代表として、SELFアルゴリズムおよびDSDアルゴリズムを選んだ)についてもプログラムを開発して、新旧の代表的診断アルゴリズムをネットワーク上でシミュレーション運用した。その結果、故障発見時間(Diagnosis Latency)および診断中の平均移動パケット数を確定できた。これにより、各種手法による所要の故障発見時間と平均移動パケット数の比較が可能となり、本手法が有効であることを結論づけている。 (2)H.Masuyama, K.Murakami and T.Sasama,"Algorithms for Energy-Efficient Broad-and Multi-casting in Wireless Networks,"4-th ICN'05,2005: 本論文は、ワイヤレス通信上での新たな経路探索アルゴリズムとして、けちけち法によるブロードキャスティング・アルゴリズムを提案し、けちけち法、欲張り法、ダイクストラ法によるアルゴリズムの性能を放送コストと計算時間の点で評価し、それぞれのアルゴリズムに適したネットワークの形状について検討している。さらに、マルチキャスティングについても検討を加えている。その結果、けちけち法とダイクストラ法の間に、上記の2指標に関してトレードオフの関係があることを明らかにしている。
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Research Products
(3 results)