2006 Fiscal Year Annual Research Report
自律分散処理に基づく連成シミュレーション手法の開発と応用
Project/Area Number |
16500035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青柳 睦 九州大学, 情報基盤センター, 教授 (00260026)
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Keywords | 分散処理 / 並列計算 / 連成シミュレーション / 自律処理 / アドホックネットワーク |
Research Abstract |
並列処理における自律的な協調分散アルゴリズムの開発およびナノ分野の並列実アプリケーション実行環境への適応研究を行った。本研究は、与えられた問題サイズに対して実行を開始した後の演算途中においても、並列実行のための「計算ノードの追加」と「障害ノードを動的に回避(切り離し)する」機能を備えたミドルウェアを開発し、フラグメント分子軌道計算法を一例としてその実装を行った。 特に本年度は上記ミドルウェアの通信クラスの機能拡張を行い、アドホックネットワーク環境での性能評価を実施し、16ノード程度の小規模な演算クラスタから構成されるアドホックネットワークコンピューティング環境での性能評価試験から、従来のコンピューティンググリッド技術による並列分散処理による実行と比較し、本研究の実装はダイナミックな演算ノード構成の変化に柔軟に対応可能である点で、可塑性・対障害性に非常に優れていることを実証した。 一方、ノードの追加・離脱情報を交換する頻度が高いほど、上述のようにノードの動的な構成変化に対し柔軟に分散処理形態を適合させることが容易である反面、並列演算ノード数の増大に伴い、(特に分散実行中のタスクの演算粒度が小さなケースでは、)動的ノード構成情報をミドルウェアが交換する「タイミング」にチューニングが必要となることが判明した。従って、ミドルウェア層とアプリケーション層を独立化・直交化し、より応用アプリケーションドメインの広い自律分散ミドルウェアとするため、ノード構成情報を(個々の演算ノードから構成される演算「ノード群」として)2階層化して保持する機能を設計し、ミドルウェアの改良を行った。
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Research Products
(1 results)