冗長分散型ファイル配置によるバーチャルファイルサーバシステムに関する研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16500039
• Research Institution: Osaka City University
• Principal Investigator: 石橋 勇人 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (70212925)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松浦 敏雄 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (40127296) ; 安倍 広多 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (40291603)
• Keywords: 仮想ファイルサーバ / ネットワークファイルシステム / 完全分散型自律分散システム

Research Abstract

本年度は,冗長分散型ファイル配置によるバーチャルファイルサーバシステムの設計を行い,中心となる部分を実装して基本的な動作を確認した.
設計したファイルシステム(DVFS)は,企業や大学のようにネットワークに接続された多数のPCを有する組織において,各PCの持つストレージの空き領域を活用し,それらを組み合わせて全体として1つのファイルシステムを構成するものである.この際,単一故障点を避け,また,PCの追加や削減に柔軟に対応できるように,このシステムは特定の管理サーバを持たない完全分散型の設計となっている.
DVFSでは,ファイルは固定長のブロックに分割して管理されており,各ブロックの複製をいくつか用意して異なるPCに配置することによって耐障害性を高めている.また,ファイルの読み込み時には,複製されたそれぞれのブロックにアクセスを分散することによって負荷分散を図っている.これらのブロックは,ネットワークアクセスのオーバーヘッドを低減するため,アクセス頻度に応じてネットワーク上で動的に再配置される.
上記の設計に基づいて,DVFSの基本的な部分についてLinux上に試作実装を行った.現在のところ,ほとんどチューニングが行われていないために動作速度は遅くなっているが,基本的なファイルアクセスについての動作が確認できている.
なお,DVFSの設計の概要については,第68回情報処理学会全国大会において発表を行った(講演番号2S-5アクセス頻度によってデータを再配置するサーバレス分散ファイルシステム).