2006 Fiscal Year Annual Research Report
冗長分散型ファイル配置によるバーチャルファイルサーバシステムに関する研究
Project/Area Number |
16500039
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石橋 勇人 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (70212925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 敏雄 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (40127296)
安部 広多 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (40291603)
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Keywords | 分散ハッシュテーブル / 階層的クラスタリング / 分散ファイルシステム / バーチャルファイルサーバ |
Research Abstract |
本年度は、冗長分散型ファイル配置によるバーチャルファイルサーバシステムにおけるファイル配置の基礎技術となる分散ハッシュテーブルについて検討を行い、新たな方式を提案した。この方式は、基本的には、既存の分散ハッシュテーブル技術の一つであるChordをベースとし、それを階層化したものである。 この際、一昨年度の研究成果である、ネットワーク距離に基づいたインターネットノードの階層化クラスタリング方式を使用し、そこで得られたクラスタに対応する形でChordリングに相当する構造を階層的に構成している。データの検索に当たっては、このように階層化された構造を持つリングの集合を最内側から順に探索することによって、目的のデータを発見する。一般に内側のリングはネットワーク距離が近いノード同士から構成されているため、より内側のリングにおいてデータを発見することが出来れば、ネットワークを横断的に流れるトラフィックを削減することが可能となる。また、内側のリングにおいてデータが発見できなかった場合は、順次外側のリングへと検索を進めてゆくことになるが、仮に一番外側のリングまでデータが発見できなかったとしても、Chordと比較して大幅に検索を高速化することができる。 なぜならば、我々の提案する方式は、できるだけネットワーク距離が近いノード間において通信を行おうとする性質があるため、検索の過程においてネットワーク的に遠距離のノードへの通信が占める割合が相対的に少なくなるからである。このことを確認するために、基本的なモデルに基づいて定式化による評価を行い、非常に良好な結果を得た。 なお、本研究成果については、情報処理学会第69回全国大会において発表を行っている(講演番号3T-5「インターネット上の距離に基づいた階層的クラスタを活用した分散ハッシュテーブル」)。
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