2004 Fiscal Year Annual Research Report
画像集合とあいまい情報量を用いた画像圧縮符号化の研究
Project/Area Number |
16500047
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
坂田 真人 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60006335)
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Keywords | 画像符号化 / 画像圧縮 / 画像集合 / あいまい情報量 / オブジェクト符号化 |
Research Abstract |
2次元ディジタル濃淡画像の情報は,画素の集まりである定義域から濃度値の値域への写像あるいは関数とみなすことができ,具体的には行列で表現できる。JPEGなどの画像符号化はこの関数の近似関数を簡潔に表現することで情報圧縮を実現していると考えることができる。本研究で提案する画像符号化方式は原画像の各画素における濃度値の範囲,つまり上限と下限のデータを保持する。この特徴は,オブジェクト符号化に適合すること,集合演算が使えること,あいまい情報量の概念を用いて品質の程度を定量的かつ統一的に扱えること,復元処理過程では望ましい評価基準に基づき画像を再生できること,などの特徴を持つ。本年度は,オブジェクトのクラス(型)として,平坦な領域を表現する平坦図形,オブジェクトの境界を識別するエッジ図形,そして画像に依存せず,任意の領域に適用できる1次元走査図形を採用した。濃淡及びカラーの自然画像,イラスト画像など各種の画像に対して,画像圧縮と復元を試み,提案方式の利点や欠点を調査した。なお,カラー画像では,YUV表色系を用いてそれぞれのプレーンを独立した濃淡画像とみなしてこの符号化と復号化をおこない,それぞれを合成して復元画像とする方法を提案した。種々の実験の結果,前述の特徴が有効に機能することが確認できた。しかし,現在多く用いられているJPEGに比較すると,自然画像において圧縮率が劣るという欠点があり,この改善策として新たなオブジェクトクラスの追加やカラー画像の表現方法の検討を進めている。
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Research Products
(1 results)