2005 Fiscal Year Annual Research Report
既存ヘルプ文書を言葉で記述された知識として再利用する知的な質問応答システムの開発
Project/Area Number |
16500050
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 一郎 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (60281440)
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Keywords | ユーザモデル / 被験者実験 / 知識獲得 / 質問応答 / 言語指示 |
Research Abstract |
○知識獲得および質問応答のための技術開発(研究計画における「マッチング手法開発」および「外部知識コーパス取得」に相当) 知識源として、ヘルプ文書だけではなく、それ以外の知識を獲得するために、Web上の知識を収集・保存し、自然言語文による質問に対して、回答できるメカニズムを提案し、システムの実装を行った[河野、小林2005]。また、ユーザからの柔軟な質問文に対して、適切な回答を検索できるようにするため、ユーザのさまざまな質問文の表現を検索キーワードに結びつけるための換言辞書を提案した[松原、小林2005]。 ○ユーザモデル設定 アプリケーションソフトウェアを操作する際のユーザの行動パターンを取得するための被験者実験を行い、実験結果に基づき、各ユーザに対して、適切なタイミング、かつ、適切な内容のヘルプ文書を操作の履歴に基づき提供するためのモデルを提案した[KOBAYASHI2005]。実験内容は、被験者に不慣れなワードプロセッサを使用してもらい、見本と同じ文書を作成する課題を達成してもらうというものである。これにより、被験者の文書作成の行動パターンおよび文書作成時において、障害に遭遇したときの被験者の行動パターンを観測した。 ○アプリケーションとの連携 ユーザの要求に対して、アプリケーションソフトウェアを操作するプロトタイプシステムの構築を行った。[KOBAYASHI and KIKUCHI2005]においては、対象とするアプリケーションソフトウェアをMS Outlookとし、Java言語で作られたシステムから、COMを操作するためのミドルウェアであるJComを利用し、開発したシステムからMS Outlookを操作するシステムの開発を行った。[大西、小林2006]においては、[KOBAYASHI and KIKUCHI2005]における研究をさらに発展させ、MS Outlook, MS Word, MS Excelの3つのアプリケーションソフトウェアを競合しないように、同時に起動させ操作できるシステムとして開発を行った。操作に関して、ユーザの言語指示に対して、操作対象となるアプリケーションソフトウェアの競合を避ける知識として、マニュアルから得られた知識を参考にして、オントロジーを作り、それを利用して、システムは言語指示を適切に解釈し、稼動させることに成功した。
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