2005 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子イオンを用いた癌治療の原子分子レベルでの制御のためのデータベース化
Project/Area Number |
16500052
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鈴木 令子 一橋大学, 総合情報処理センター, 助手 (70187780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
季村 峯生 九州大学, 理学研究院, 教授 (00281733)
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Keywords | 電子移行過程 / 重粒子イオン / 生体分子 / 水分子 / 分子解離 / 炭化水素分子 |
Research Abstract |
季村は(H+C_2H_6)^+系の断熱ポテンシャルおよびカップリングを分子の配向を変化させた場合について量子化学計算で精密に決定し、鈴木はこのデータを使い散乱過程の研究を行った。陽子衝突による標的分子からの電荷移行について散乱断面積を量子力学的緊密波法により計算し、イオン化及びその結果としての分子解離過程などの反応過程についての考察も行った。さらに多準位を取り入れた(H+C_2H_6)^+系および(H+H_2O)^+についての計算を進め結果を発表した。量子力学的緊密波法による計算は(H+CH_4)^+、(H+C_2H_2)^+および(H+C_2H_4)^+について既に行っており、(H+C_2H_6)^+においても、これらの研究を発展させて行った。この系にはたくさんのC_2H_6とC_2H_6^+の励起状態があり、電荷移行、イオン化及び分子解離過程などの反応過程も色々な応用分野で重要であり、今までの簡単なイオン-原子や2原子分子に比較して多大の計算量が必要となった。この研究で炭化水素分子一般の規則性について調べた。 実験値の一部存在する過程やエネルギー領域については補間する作業を実施し、理論値との詳細な比較検討を行っている。この実験理論合同の比較検討作業から最も信頼できると思われるそれぞれの過程についての反応確率の値を決定し、総合的反応確率データを集積している。さらに、これらデータのデータベース化とそのライブラリー化を構築中である。同様の作業を医療関連分野のみでなく、出来るだけ汎用性の高いデータベースにするために材料関連や環境問題へ拡張すべきデータベースを構築する準備を行っている。さらに平成17年度は生体関連分子の分子解離過程についての研究と解離定数の調査を行い、信頼性の高い解離定数のデータ化を行った。特に水分子についての様々な解離種についてのデータを集中的に収集・評価・データベース化を行った。
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Research Products
(6 results)