Research Abstract |
本研究の目標は,日本現存朝鮮古書データベースの書誌データを蓄積し,インターネットを通じて韓国を始め世界各国の朝鮮及び朝鮮本研究者に必要な書誌情報を提供する,Web型のDOKB(Database of Old Korean Books)情報検索システムを完成させるとともに,書誌のマスター・データとその索引を持つ書籍を刊行することである. 平成16年度は,データベースDOKBに新たなデータを追加し,内容を更新して,2682件の集部データを収録したWeb型データベースの更新を行った.ホームページのURL=http//magnon.cns.toyama-u.ac.jp/Dokb2/に,利用者IDとパスワード付きの第2版データベースを公開した.また,集部2682件の書誌マスターと索引を収録した,日本現存朝鮮本研究(集部)上下巻1273ページの試作本を作成した. 次に,このWeb型情報検索システムを改良して,国際対応のデータベース・システムとするため,次の研究と開発作業を行った.(1)旧字体漢字への変換:旧字体漢字の国際対応を考慮して,今日まで米国,韓国,台湾などで,使用漢字コードとその実用性を調査してきたが,今年度はUnicode国際化会議に出席し,Unicodeの実用性とサポート言語などを詳細に調査,討論してきた.その結果,UTF-8によるUnicode化がWeb, Java等幅広く使用されてきていることが確認できた.現行のShift-JISコードは索引を作成するにも,perl言語と相性が悪く,これを機械的にUTF-8へEncodingする作業を現在進めているところである.(2)Javaシステムへの変換:UnicodeをサポートするWebシステムへの更新には,現行のPHPシステムからJavaシステムヘ変換することを決定し,平成16年度はJavaシステム開発に関する情報と技術を収集し,簡単なJavaシステムの開発を行ってきた.現在,開発作業は難航しているが,専門家の支援を頼みながら進めている状況である.(3)Webシステムでの表示テスト:韓国にて,第2版Webシステムでの表示,検索テストを行ったが,Shift-JIS系システムでは,ASCIIコードに文字化けが生じたので,原因を調査し,今後は,Unicode化後のテストを計画している.(4)漢字入力システムのインターフェース整備:英語版のWindows XPシステムと多言語版オフィス・システムの導入に合わせて,韓国,中国,台湾など,漢字圏での漢字入力システムの調査を行い,検索用の漢字入力については,今後とも各国で最も使用されているIME(Input Method Editor)を中心に,特殊文字,外字の入力インターフェースを引き続き研究中である. 以上,国際対応化を目指したDOKBシステムは,開発途上にあり,平成17年度末の完成を目指して,残る課題を鋭意研究・開発中である.
|