2004 Fiscal Year Annual Research Report
幾何的情報に基づく自由曲線・曲面モデルの類似判定手法の開発
Project/Area Number |
16500065
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
向井 伸治 前橋工科大学, 工学部, 助教授 (50135109)
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Keywords | 形状類似度 / 形状比較 / 曲線マッチング / CAD |
Research Abstract |
2次元・3次元図形情報の普及と蓄積により,形状の分類や検索といった技術が注目されてきている.今年度の研究では,CAD/CGにおける形状デザイン時の利用を想定して,細分化法で生成される自由曲線の形状類似度を簡便で高速に求める方法について考察を行った.曲線形状を規定している制御多角形とその細分割多角形を利用して,曲線形状の類似度を効率よく定量化する方法を提案した.基本的な考え方は,比較する曲線群の位置・姿勢を合わせるために固有座標系を設定し,制御点列のマッチングを行い,対応する点位置のずれ量をもとに類似度を計算するというものである.比較する曲線の制御点数が異なる場合は,部分細分化法を用いて対応関係を求める.算出される類似度の値は,制御点の平行移動や回転移動,スケーリングといった幾何変換に対して不変である.50組の比較ペアについて類似判定実験を行い,本手法が概ね良好に類似形状を識別できることを示した.また,細分割回数と類似度の関係を調べるため,相関分析を行った.さらに,本手法を手書き文字と文字フォントの比較や,回転体のプロファイル曲線の比較などに適用した.これらの実験を通じて,初期制御多角形の位置情報からラフな類似判定が行えること,1回細分割多角形を用いれば曲線形状の類似度を十分に説明できること,凹凸部分の特徴に注目すれば部分形状の類似性を評価できること,類似判定の結果は人の感覚に一致していることを示した.曲線の曲率を利用した比較法も試みたが,曲率は形状変化に対する感度が高いため,わずかな変化が類似度に大きな違いを与えてしまい,望ましい結果が得られなかった.段階的な形状比較調査,すなわち大まかな類似評価から詳細な類似評価の過程で,細分化された位置情報に基づく類似度と曲率による類似度を使い分けていくことが必要である.
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Research Products
(2 results)