Research Abstract |
高齢障害者の生活自立に役立つタキザワ式リハビリテーション(リハ)プログラムに従って行う機器を利用した創動運動によるリハ手法が高い効果を挙げている.我々が研究するこのリハ手法は,特定の理学療法士により実施されている.この事実をもたらした機序を解明するため研究を行った.本研究は評価機器による評価データを蓄積し,分析することにより,どのような評価データを得た時に,立位歩行の訓練を実施するのかを,標準化することを目的にした.準備した機器の機能を確認した後に,各協力施設において利用者(患者)の協力を得て,データを蓄積し,分析して報告した. 本研究に,研究協力者家本晃氏,滝沢茂男氏(本学研究員(訪問))の協力を得た.高田研究室の学生小松祐輔氏,木下慶氏,保中志元氏が実験を担当した. 前年度の成果機器を用いたデータベース構築のためのデータ収集を,介護老人保健施設湘南の丘,スカイ及び社会福祉施設(特別養護老人ホーム)アザリア,芭蕉園,共生会の協力を得て実施した.実験実施の安全を期するために,滝沢恭子氏,湘南看護専門学校村上亜紀氏,茅ヶ崎リハ専門学校縄井清志氏の協力を得た.成果機器により,コロコロ:前方突き出し量(mm),パタパタ:足板踏み戻し量(mm),足関節柔軟度,筋電,及び訓練開始前後の赤外線サーモグラフィーの画像を,33名の被験者データとして収集した.研究成果を本学で開催した第9回バイオフィリアリハ学会等において,報告した.創動運動と他動運動の対比について,筋電図を分析することにより,少なくとも当事者以外に術者を必要とする他動運動の筋電上の効果が,障害者が座位により,自分で実施する創動運動を超えるものでないことを明らかにした.本研究の基礎となった研究を纏め発表した.開発した評価機器により収集したデータ分析から,評価のみならず,診断システムとしての機能を持ち得る可能性を報告した.
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