2006 Fiscal Year Annual Research Report
奥行き融合と両眼視差融合による新しい立体知覚とその3次元表示への応用に関する研究
Project/Area Number |
16500072
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
上平 員丈 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (50339892)
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Keywords | 立体画像 / 3次元画像 / ディスプレイ / 両眼視差 / パララックスバリア / 奥行き融合 |
Research Abstract |
本研究は、疲労のない自然な立体視ができるVR用映像端末の実現を目標とし、各々片目に独立に重畳パタンを提示した場合の立体知覚について研究を行うものであり、18年度は、17年度に発見した視差量を一定以上に大きくした場合、前後二つのパタンは融合せず、しかも本来より互いに接近した奥行き位置に知覚される現象について、これが偽ステレオマッチングによることを視覚モデルより明らかにした。また、両眼融合と奥行き融合が同時に生じる条件において、3次元像を知覚する場合の目のピント位置の基礎測定を行った。 1.視差量が大きい場合の立体知覚:視差量を一定以上に大きくすると、前後のパタンエッジは1つに融合せず2つのパタンエッジとして知覚され、奥行き融合は生じないが、前後二つのパタンは本来より互いに接近した奥行き位置に知覚される。この原因として、左右の目において前後パタンが入れ替わってマッチングを行っている偽ステレオマッチングが生じていると仮説を立て、数理モデルよりシミュレーションを行った。この結果、前後のパタンの奥行き知覚位置が測定値とよく一致して仮説の正当性が実証された。 2.ピント位置の測定方法の確立:奥行き融合した立体像を観察するとき、被験者のピント位置がどこに合っているかは学術的にも興味深く、また工学的にも疲れの少ない立体視を実現する上で重要な知見となる。今回、基礎実験として2つの3次元像が同じ奥行きにある場合のピント位置を測定した。この結果、ピンチ位置は前後それぞれのスクリーン上ではなく、その中間にあることが分かり、従来の立体ディスプレイで眼精疲労の原因として問題となっていたピント位置と輻較位置の不一致を解決できる可能性があることがわかった。
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Research Products
(3 results)