2006 Fiscal Year Annual Research Report
相転移現象を利用した離散・連続混在型情報圧縮アルゴリズムの研究
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16500093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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Keywords | 情報表現 / 情報圧縮 / 自己組織化 / 孤立局在興奮 / 学習 |
Research Abstract |
これまでの研究では,離散・連続混在型情報圧縮アルゴリズムが,三次元上の二本のリングから一様分布で生成される情報源を設計どおりに情報圧縮できるかを調べた.その結果,リング上での位置関係は,スパースな局在発火の重心の位置にエンコードされていることがわかった.さらに,どちらのリングに属するかに関しては,局在興奮の発火パターンの重なり具合で表現できることがわかった. 今年度は昨年度にひきつづき,入力の確率分布が一様でなくなった場合について研究する,まず,リング間の確率は1/2で均一とし,リング上の位置に関して,ある場所だけ確率密度が大きくなる場合を議論した.その結果,Kohonen1モデルなどの従来のアルゴリズムと同様に,確率密度が大きくなる部分を担当する素子(ニューロン)の個数が増えることがわかった.つぎにリング上の位置に関しては一様で,リング間の確率を不均一な場合を議論した.この場合、その不均一さに応じて,離散情報が獲得されることがわかった.これで,このアルゴリズムの基本的な性質はわかったので,今年度は実画像を用いた実験を行う. これとともに,スパースな局在興奮の生成に用いたメキシカンハット型相互作用にランダムな相互作用を付加したモデルを統計力学的手法を用いて研究した.このモデルは,物性物理学で用いられているスピングラスモデルの拡張になっている.その結果,同じ二値素子でも,スピングラスで知られているレプリカ対称性の破れの条件が異なることがわかった.これはスパースな局在興奮生成メカニズムに関する重要な知見である.
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Research Products
(5 results)