2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500110
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
塩山 忠義 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90178856)
|
Keywords | 視覚障害者 / 自律型単独歩行支援 / 横断歩道の検知 / 縞パターン / 射影不変量 / バイポラリティ / 道路幅 / ベクトル幾何学 |
Research Abstract |
本研究は視覚障害者の単独歩行をコンピュータによって支援するITS (Intelligent Transportation Systems)を開発したものであり、世界の視覚障害者支援に役立つ研究である。現状の社会環境の下で視覚障害者の自律型単独歩行を支援することを研究目的とした。この目的のため、昨年度は視覚障害者が横断歩道を安全に渡るために必要となる3つのテーマ:1)横断歩道の検知,2)道路幅の計測3)信号灯の色の検知,に取り組んだ。本年度はこれらのうち1)と2)について更に検討するため、以下の1),2),3)のように研究した。その後、4),5)と研究を進めた。 1)横断歩道の検知:視覚障害者が立っている眼前の道路領域が横断歩道か否かを知ることは重要である。この検知のため、昨年度に2つの方法を開発した。すなわち、両者とも、横断歩道に存在する黒色アスファルト面上の白色ラインの縞パターンを利用する方法で、第1の方法は画像中の白色ラインエッジの特徴点から計算される射影不変量に基づいた方法である。第2の方法はバイポラリティ特徴に基づいた方法である。この方法では、バイポラリティ特徴値の高い画素から成る画像中の領域が横断歩道であると判断した。両方法とも95%以上の精度を達成した。今年度は第1と第2の方法を統合して射影不変量とバイポラリティ特徴を用いて横断歩道を検知する方法を開発した。この統合法で照明条件に対してロバストな方法についても検討し、夕方や夜の横断歩道でも検知できることを確認した。 2)道路幅の計測:道路幅の画像計測法として昨年度は2つの方法を開発した。第1の方法はベクトル幾何学による方法で、横断歩道の左右のボーダーライン、第1-,第2-,最遠-白線エッジラインに基づいて道路幅を計測した。第2の方法は白線のバンドパラメータによる方法で、横断歩道内での白線バンドの数と幅から道路幅を計測した。両方法でのrmsエラーは約2mであった。これらのうち、第2の方法はカメラの光軸が水平であるという仮定に基づいた方法であるが、第1の方法はこの仮定に基づいていないため、より一般的な方法といえる。今年度は、この第1の方法による更なる研究成果をIEICE Transactions on Information and Systemsに発表した。 3)横断歩道の検知と道路幅計測:横断歩道の検知を行い、検知できたときに道路幅の計測を行うアルゴリズムを開発し、ITSC2005とSICE2005で発表した。 4)車両の検知:視覚障害者が単独歩行する際に危険な障害物として車両があるが、この車両を検知するアルゴリズムについて検討をした。ガボール変換出力から車両候補領域を抽出し、候補領域からアフィン不変量を用いて車両の有無を検知する方法を開発した。 5)小型カメラと小型PCでプロトタイプを作り実用化の検討を行った。最後にまとめを行い、報告書を作成した。
|
Research Products
(7 results)