Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 博昭 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90107136)
谷田 純 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00183070)
小倉 裕介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (20346191)
平尾 桂一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 技術専門職員
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Research Abstract |
本研究は,カオス現象とフラクタル的特性を結ぶ微細構造を解明するとともに,その結果得られる知見を応用して擬似乱数発生法の考案することを目指した.その最適化手法の特徴は,ファジィ数理解析および,DNAアルゴリズムにおける光情報制御等の手法を開発・考案している点である.本年度に関して得られた成果・知見は以下のとおりである: 1.グーモウスキ・ミラ写像のリアプノフ指数に関する数値シミュレーション・データを多数検討した.結果,3パラメータを様々に変化させ,各場合につき,初期値鋭敏性がどのように現れているか観察し,Marottoの定理(J.Math.Appl.Anal.,No.63,1978)が適用不可能であるという知見に至った.グーモウスキ・ミラ写像のカオスを証明するためには,ある種のヤコビ行列の固有値の絶対値の計算,ホモクリニック軌道の存在性を確認するなどして,多次元離散力学系の写像に関し,カオス存在のための新たな具体的手法を確立することが必要である結論を得た.また,本年度は,線形合同法を用いた暗号用擬似乱数生成法を考案し,その有用性を相関係数,ラン検定,カイ2乗検定,相互情報量等による定量的解析により実証した.今後その解析結果をグーモウスキ・ミラ写像におけるカオスを利用して,擬似乱数発生法を見いだす端緒を得た. 2.本来,線形的でないファジィ数の集合に線形構造を導入して,従来の線形関数解析学的手法を用いてファジィ微分方程式の解に関して,定性的研究,特にファジィ境界値問題ついて新しい判定法を考案した. 3.前年度に考案した最大クリーク問題に対する2次離散型計画問題を解くためのDNAコンピューティングのアルゴリズムにおいて,2値符号化の問題点を解決してヘアピンDNAによる自律計算が正しく実行されるように改良した.また,DNA実験により,計画問題の1次項と2次項が結合したDNA配列を合成できることを確認した.
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