2004 Fiscal Year Annual Research Report
畳み込み混合環境での実時間ブラインド信号分離処理及び実時間独立成分分析の研究
Project/Area Number |
16500134
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
丁 数学 会津大学, コンピュータ理工学部, 研究員 (80372829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDRZEJ Cichocki 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 教授
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Keywords | ブラインド信号分離処理 / 独立成分分析 / 畳み込み混合 / 実時間処理 / 実環境 |
Research Abstract |
(1)畳み込み混合された複数源信号、例えば、任意の部屋の中に多数の人が同時に話しているときにマークで収録された信号をブラインド的に分離することができる新しいアルゴリズムについて研究した。分離の出力としては、上記の例でよれば、一人一人の別々の音声信号である。このアルゴリズムでは従来の確率的な学習アルゴリズムと違い、再帰的な計算によって分離を実行し、実時間処理を実現できることは今まで他のアルゴリズムにはないと言う特徴がある。 (2)同時摂動型確率過程的近似法を用いたリアルタイム的な独立成分分析(ICA)を提案・研究した。従来の独立成分分析に関する殆どのアルゴリズムはバッチタイプの処理手段であり、静的、または定常的な混合環境でしかうまく性能できなかった。その理由として、リアルタイム処理では短い信号を用いて混合パラメータを推定しなければならない。しかし、独立成分分析は信号の統計量を利用して行われるので、短い信号でこの統計量を精度よく計算をすることができない。この問題を解決するため、我々は、分離パラメータを勾配法で推定する時に勾配の同時摂動型確率過程的近似を導入した。同時摂動がランダム的に生成されるので、この確率的な変数は短い信号を拡張し、信号の統計量を精度よく計算することができた。このように、リアルタイムで処理ができる独立成分分析ができるようになった。 (3)心電図信号から呼吸信号を分離することについて関して研究した。心電図では、呼吸信号と心電信号の混合方式は従来の独立成分分析でよく研究された加算混合方式ではなく、通信での変調のような乗算混合方式ということが分かった。これに対しては、従来の独立成分分析が通用しないので、新たな統計的な方法を提案し、研究した。この研究によって、心電信号フレームのKurtosisの値は呼吸信号の強度と正比例と言うことが分かった。この研究に基づいて分離することを実現できた。専用の呼吸センサーが必要なく、心電図から呼吸信号を抽出することで様々な応用が可能である。
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Research Products
(6 results)